2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350398
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤澤 敏治 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (20115629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 浩行 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 助手 (50314050)
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Keywords | 複合材料 / アルミニウム / SiC / Al_2O_3 / リサイクル / フラックス / KF / NaCl-KCl |
Research Abstract |
金属基複合材料は,優れた特性を示す一方で,母材と強化材の分離が非常に困難であるという,リサイクルの観点からは決定的な欠点を持ち合わせている。本研究では,水溶性フラックスを用いたクローズドリサイクルプロセスの開発を目指し,本年度は以下の知見を得た。また,これまでの研究結果をまとめることにより,Al基複合材料に対するクローズド・リサイクルプロセスのフローシートを完成させ,本研究のとりまとめと報告を行った。 前年度の結果からNaCl-KCl-KF系フラックスが,Al-SiC系粒子強化複合材料の分離・回収には適していることが分かった。そこで,フラックス処理後に回収した母材,強化材,フラックスに対して,再利用の観点から性状を調査した。 回収Al合金:フラックス処理による組成の変化は見られず,また,内部や表面にSiC粒子は認められないことから,様々な用途に再利用が可能であることが分かった。 回収SiC粒子:K_2NaAlF_6やAl_2O_3が不純物として共存し,前者については,NaOH溶液により分解させ,NaF, KFとして回収しフラックスに再利用できる。また,後者については,処理中の溶湯の酸化が原因であるため混入抑制は難しく,除去方法について今後検討していく必要がある。 回収フラックス:少量のフッ化物を添加することで再利用できることが分かった。 また,実操業を想定して最適処理条件を検討したところ,複合材料およびNaCl-KCl系フラックスが溶解した後にIVを添加する方法をとることにより,1mass%よりも少量のKF添加で,複合材料をAl合金とSiC粒子に完全に分離することが可能であることが分かった。
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