2004 Fiscal Year Annual Research Report
フォトアシスト電解によるCdTe薄膜太陽電池作製プロセスのソフト化
Project/Area Number |
14350399
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平藤 哲司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70208833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟倉 泰弘 京都大学, 工学研究科, 教授 (70109015)
松原 英一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90173864)
邑瀬 邦明 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30283633)
佐賀 達男 シャープ株式会社, ソーラーシステム事業部・第一事業部, 部長
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Keywords | テルル化カドミウム / 硫化カドミウム / 化合物半導体 / 太陽電池 / 電析法 / 化学浴析出法 / 透明導電性基板 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
研究代表者らは次世代太陽電池材料であるCdTe半導体の低コスト成膜技術として電析法を研究してきた。ここでは、Te(IV)種の溶解度が高い新しい電析浴としてアンモニア性の塩基性浴を開発し、電析時にカソード表面へ可視光照射するフォトアシスト電析を用いたCdTe成膜を行っている。 これまでの研究により、as-depositedでの高い比抵抗(10^8Ωcm)を改善するため、より結晶粒の大きなCdTeの電析が必要とわかった。本年度は、前年度に組み立てたオートクレーブを用いたより高い浴温での電解によりCdTe薄膜を作製し、その評価を行った。その結果、新たに開発した接触めっきの技術を用いることで、高い温度(90〜150℃)の浴から、平滑な表面形状を有する化学量論組成のCdTe薄膜を再現性よく成膜できることを見いだした。結晶粒径は浴温の上昇とともに増大し、最大で約20nm程度と、これまでに得られていたCdTe薄膜に比べ、2倍以上となった。CdTeの結晶粒は無配向であった。また、製膜速度も浴温度の上昇とともに増大することがわかった。 本年度はこのほか、CdTeに対してドーパントとして作用する塩化物イオンが、フォトアシスト電析挙動および得られる電析物に与える影響を昨年度に継続して調べた。その結果、従来の硫酸浴からの電析CdTeと比較して塩化物イオンを含む電解浴からの電析CdTeの結晶粒径は大きいことがわかった。浴中の塩化物イオン濃度の増加やpHの増大は、CdTe薄膜中のCd含量を増加させ、その結果、得られた電析CdTeの比抵抗は最大で10^6Ωcmのオーダーまで低減できた。ここでは塩化物イオンが不純物準位を形成していることも明らかとなった。
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Research Products
(6 results)