2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350410
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片岡 邦夫 神戸大学, 工学部, 教授 (20031081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 直人 神戸大学, 工学部, 助教授 (50223954)
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Keywords | 層流渦流 / 共軸二重回転円錐反応器 / 乳化重合 / 混合特性 / 流動遷移 / 粒度分布 / コロイド凝集 / 連続操作 |
Research Abstract |
本年度は (1)柔らかい脆弱な粒子,液滴の分散した2相流の最適な反応装置として共軸二重回転円錐流動系が適用できると考え,この流動系の混合特性をデータベース化するために非線形ダイナミックスの特徴である流動形態の遷移現象、分岐現象を先に調べた.この流動系は内円錐の回転数(レイノルズ数)とともに、流動形態が層流→螺旋渦流→上昇渦流→静止テイラー渦流→波動テイラー渦流→乱流渦流へとカスケード的に遷移することがわかった。この遷移は定常状態に至るスタートアップの履歴に依存して流動状態が変化する非線形ダイナミックス特有の履歴性を持つことを明らかにし、スタートアップの加速度の制御を試みた.これらの流動形態の中で,脆弱な液滴を損傷しないために低レイノルズ数の層流渦流れに着目し、螺旋渦流と上昇渦流にういて混合特性を観察した.同じレイノルズ数に運転条件を設定しても加速度が小さい場合は螺旋渦流が出現し,加速度が大きい場合は上昇渦流が出現する、いわゆる多重安定性を持つことを明らかにした。電導度法を応用して、トレーサ応答法によりこの2種類の流動形態の混合特性を観察した結果,(1)螺旋渦流の時は螺旋状の渦内ではトレーサ物質は渦フィラメントに沿って拡散的に移動し、渦外縁部は2次流に沿って対流的に移動することを、(2)上昇渦流の時は渦内では閉じ込められたトレーサ物質が渦の移動とともに対流的に運搬され,渦外縁部は下降する子午線流れによって対流的に移動することなどを明らかにした。この流動系は局所的には緩やかな混合状態を持ち,かつ、粒子が固体壁へ衝突しにくいセル状の層流渦流れを形成する特徴を有していることもわかった。 (2)スチレンの連続乳化重合をCSTRおよび共軸二重回転円筒流動系でも行った.その結果、回分操作では生成するラテックスの粒度分布は狭く,常に一定であったのに対して、連続操作の場合には連続的な核発生による微粒子(1次粒子)が装置内に残存する2次流の表面に析出的に凝集することを確認できた.また、平均滞留時間によって2次粒子の成長過程したがって粒度分布のシフトを制御できることも明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.N.Noui-Mehidi, N.Ohmura, K.Kataoka: "Numerical Computation of Apex Angle Effects on Taylor Vortices in Rotating Conical Cylinders Systems"Journal of Chemical Engineering of Japan. 35-1. 22-31 (2002)
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[Publications] M.N.Noui-Mehidi, N.Ohmura, K.Kataoka: "Mechanism of Mode Selection for Taylor Vortex Flow Between Coaxial Conical Rotating Cylinders"Journal of Fluids and Structures, Academic Press. 16-2. 247-262 (2002)
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[Publications] K.Kataoka, N.Ohmura, T.Yano, S.Matsuzaki: "Effect of Nonlinear Coupling Between Transport and Reaction Dynamics in Polymerization Processes"Progress in Transport Phenomena, ed. By S. Dost et al., Elsevier, Paris (Proc. 13^<th> Int. Symp. On Transport Phenomena). 491-496 (2002)