2002 Fiscal Year Annual Research Report
反応性を付与した生分解性高分子界面活性剤による超機能性ナノ粒子の創製
Project/Area Number |
14350411
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉澤 秀和 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20244262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 吉朗 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (90032945)
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Keywords | 高分子マクロマー / 自己組織化 / 高分子ミクロスフェア / 反応性分散剤 / ポリアスパラギン酸 / 生分解性高分子 / 分散重合 / 高分子コロイド |
Research Abstract |
本研究のストラテジーは、バルクと同じ特性を表面に賦与した高分子微粒子を調製するため、天然高分子であるポリアスパラギン酸系の生分解性を有する反応性界面活性剤を創製し、そのコロイド特性を解明、高分子微粒子調製における表面制御技術を構築することにある。 今年度、主として、モノマーユニットに2重結合を有し主鎖がポリアスパラギン酸からなる新規なビニルマクロマーの合成を検討した。目的とするビニルマクロマーは、DL-アスパラギン酸の閉環重合から得られるポリコハク酸イミドにp-ビニルベンジルアミンを導入し、その後、残余イミド環を開環することによって合成した。なお、p-ビニルベンジルアミンは、p-クロロメチルスチレンを出発物質として2段階合成によって得た。 合成したビニルマクロマーを反応性分散剤とするスチレンの分散重合を行い、高分子未クロスフェアの調製を開始した。その結果、直径200〜400nm程度の高分子ミクロスフェアの調製に成功した。また、高分子ミクロスフェアが分散した溶液は長期間安定化していた。このため、得られた高分子ミクロスフェアのζ電位を測定したところ、-40mVと大きく負の電荷を帯びていた。この結果は、分散重合において開始剤として2,2-アゾビスイソブチロニトリルを用いているため開始剤残基の影響ではなく、高分子ミクロスフェア表面に今回合成したビニルマクロマーが単独あるいはスチレンとの共重合体として存在し、ビニルマクロマー分子中のカルボキシル基の影響が顕著に表れたものと考えられる。
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