2003 Fiscal Year Annual Research Report
反応性を付与した生分解性高分子界面活性剤による超機能性ナノ粒子の創製
Project/Area Number |
14350411
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉澤 秀和 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20244262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 吉朗 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (90032945)
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Keywords | マクロマー / 自己組織化 / 高分子ナノスフェア / 反応性乳化剤 / ポリアスパラギン酸 / 生分解性高分子 / 乳化重合 / 高分子コロイド |
Research Abstract |
本研究のストラテジーは、ポリアスパラギン酸系の生分解性を有する反応性界面活性剤を創製し、そのコロイド特性を解明、高分子微粒子調製における表面制御技術を構築することにある。 昨年度、目的とするビニルマクロマー(VBA-PAsp)の合成に成功し、合成したビニルマクロマーを反応性分散剤とするスチレン(St)の分散共重合を行い、直径200nm〜400nm程度の高分子ミクロスフェアの調製および機能性評価を実施した。 今年度は、ナノ領域での粒径制御を目的に、VBA-PAspを用いたスチレン(St)との乳化共重合について検討した。実験に供したVBA-PAspの側鎖導入率は5,10,20%である。 高分子微粒子の粒径に与えるVBA-PAsp濃度の影響を検討した結果、VBA-PAsp濃度の増加と共に粒径は減少した。また、側鎖導入率の影響は20%側鎖導入VBA-PAsp以上で顕著に現れ、側鎖導入率の増加に伴い粒径の減少が確認された。これは疎水性のグラフト側鎖の増加により分子内会合体の形成が促進されたためと推察される。一方、VBA-PAsp主鎖長の粒径への影響を検討した。その結果、主鎖長が短くなるほど粒径は減少した。これはVBA-PAspの主鎖長が小さい程、重合場となる分子内会合体が小型化したため、粒径が減少したものと思われる。 以上の結果から、VBA-PAspを乳化剤とする乳化共重合において35nm〜150nmの粒径制御が可能であることが分かった。また、分子内会合体を形成するVBA-PAspの単独重合法では、10nm〜30nmの高分子微粒子の形成が示唆された。昨年度遂行した分散共重合の結果に、今年度実施した検討をあわせると、10nm〜400nmの粒径範囲で反応性乳化剤であるpolymeric surfmer(VBA-PAsp)を用いた超機能性高分子ナノ粒子の合成および粒径制御に成功した。
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