2003 Fiscal Year Annual Research Report
溶存オゾンの吸着による高濃度オゾン反応場の創生と水処理への応用
Project/Area Number |
14350414
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
迫田 章義 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30170658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 順 産業創造研究所, 柏研究所・化学研究部, 部長(主任研究員)
下ヶ橋 雅樹 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20334360)
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Keywords | オゾン / 吸着 / ゼオライト / シリカアルミナ系吸着剤 / 水処理 |
Research Abstract |
平成14年度の研究結果から判断された、溶存オゾンの吸着に適した吸着剤(ZSM-5、モルデナイト)を用いてトリクロロエチレン、アセトアルデヒド、及びエタノールとオゾンの反応を観察したところ、バルク水中での反応と比べて著しく増大した。また処理対象物質とオゾンの見掛けの反応速度はそれらの吸着能力が高い吸着剤を用いる程大きいことから、吸着濃縮が反応速度増大に大きな影響を与えていることが示された。さらに、数理モデルによって算出した、吸着状態でのオゾン及び処理対象有機物の濃度を用いることで、吸着材細孔中での反応速度を定量的に説明することができ、同プロセスの装置設計に必要な基礎的事項を整理できた。 一方本プロセスは、吸着濃縮によるオゾンと処理対象物質の接触時間の短縮により、有害副生成物の形成を抑制しうるものと期待できる。その実証試験として、水道水質基準に挙げられる2-メチルイソボルネオール(2-MIB)とオゾン処理の副生成物である臭素酸イオンの同時低減を試みた。まず臭素酸イオンの前駆体である臭素イオンと2-MIBの共存水溶液の処理を行ったところ、最適な吸着材を用いて、滞留時間の短縮と溶存オゾン濃度の低下により2-MIBを平均滞留時間1分以内で完全に分解し、臭素酸の生成を規制値以下に抑えることができた。また、水道原水処理に同法を応用する場合、フミン質等溶存有機物の影響が懸念される。その影響を確認するため、水道原水(河川水)を用いた実験を行ったところ、2-MIBは溶存有機物との競争吸着により、吸着後すぐ脱着した。また、固定層反応装置においても溶存有機物が優先的に吸着しオゾンを消費したが、吸着阻害有機物分解に十分な溶存オゾン濃度と必要な吸着材量を持つ反応器の設計により、2-MIB分解が可能となり、本プロセスが2-MIBの分解と臭素酸生成抑制の両立を可能とすることが実証された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Fujita, J.Izumi, M.Sagehashi, T.Fujii, A.Sakoda: "Decomposition of Trichloroetene on Ozone-Adsorbed High Silica Zeolites"Water Research. 38(1). 166-172 (2004)
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[Publications] H.Fujita, J.Izumi, M.Sagehashi, T.Fujil, A.Sakoda: "Adsorption and Decomposition of Water-Dissolved Ozone on High Silica Zeolites"Water Research. 38(1). 166-172 (2004)