2003 Fiscal Year Annual Research Report
キャッサバを原料とした生分解性ポリマー用乳酸の発酵生産プロセスの開発
Project/Area Number |
14350415
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Research Institution | Tokyo University Agriculture Arid Technology |
Principal Investigator |
国眼 孝雄 東京農工大学, 工学部, 教授 (00015108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
銭 衛華 東京農工大学, 工学部, 助手 (00302919)
磯 守 東京農工大学, 工学部, 講師 (60184587)
石原 篤 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60212908)
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Keywords | 生分解性プラスチック / キャッサバ / 乳酸発酵 / 生成物阻害 / 培地 / 低コスト / 比増殖速度 / 炭酸カルシウム |
Research Abstract |
ポリ乳酸の原料である乳酸の生産コストを下げるために発酵菌にStreptococcus bovisを用い、基質にcassava、培地に豆腐排液を用いたときの新規の発酵系を提案し、標準培地系(glucose-trypto-soya)と比較検討し、次の結論を得た。 1.Cassava-豆腐排液系(提案系)は標準系と比較し、発酵乳酸のレベルは80%まで到達したが、発酵速度は1/2から1/3と低かった。 2.提案系培地でも標準培地でも3種類の基質の中で同じ糖分濃度で発酵乳酸濃度レベルはcassavaが最も高く、次にTapioca、glucoseと続いた。これは用いた発酵菌のStreptococcus bovisが多糖類を糖化しやすく、またcassavaの中に多少のミネラル分が含まれていることに起因するものと思われる。 3.基質の糖濃度を変えると発酵乳酸濃度は10%まで上昇するが10%を境に一定か減少する。この濃度辺りがStreptococcus bovisの基質阻害と考えられる。 4.供給されたデンプン量に対して生産された乳酸の割合であるtotal yieldは一般に糖濃度が低いときに高く、また豆腐排液培地は、標準培地に対して2/3程度であるが、cassava-豆腐系の場合には10%ところまで高い収率を保った。 以上の結果から提案系は標準系と比較して、生産速度は少しおとるものの収率はかなり高く、特に糖基質濃度10wt%で供給されたとき工業生産のための十分価値のある発酵培地系であることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Abdul Ghofar, Takao KOKUGAN: "The pervaporation mechanism of dilute ethanol solution by hydrophobic porous membranes."Biochemical Engineering Journal. 31. 981-984 (2003)
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[Publications] 高田清輝, Abdul Ghofar, 國眼孝雄: "安価な原料を用いたL-乳酸連続発酵"化学工学会第36回秋季大会、研究発表講演要旨集. 36. D2PO1 (2003)
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[Publications] Abdul Ghofar, 國眼孝雄, 高田清輝: "培地に豆腐廃液を用いたときのキャッサバを基質とした乳酸発酵"化学工学会第36回秋季大会、研究発表講演要旨集. 36. D2PO2 (2003)
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[Publications] 小川晋吾, Abdul Ghofar, 國眼孝雄: "乳酸発酵における炭酸カルシウムの効果"化学工学会第36回秋季大会、研究発表講演要旨集. 36. D2PO4 (2003)