2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350425
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
薩摩 篤 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00215758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 寿雄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80273267)
服部 忠 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023172)
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Keywords | NOx / 選択還元 / 触媒 / 反応場 / 反応機構 / in-situ分光法 / 活性種ダイナミクス / ディーゼルエンジン |
Research Abstract |
研究の目的環境保全の観点から、燃焼排ガスからの窒素酸化物(NOx)排出抑制技術の開発が急務となっている。本研究では触媒の反応場による制御に着目し、反応雰囲気制御を含めた触媒設計法を構築することを目的とした。反応機構や活性種のダイナミクス解明を合わせて行った結果、本年度は以下の成果を上げることができた。 1.ディーゼルエンジンにおける脱硝触媒およびシステム設計のための知見を得ることを目的として、炭化水素構造(炭素数、直鎖・分枝)の効果を検討した。還元剤炭化水素の炭素数の増加に伴って、NO選択還元が上昇する傾向が見られた。種々の検討の結果、アルカンの種類(直鎖、分枝)、触媒の活性種(Cu, Ag)および担体に関わらず、NO選択還元速度はC-HとC-Cのすべての結合を考慮した平均結合エネルギーとよい相関性を示し、炭化水素の反応性が活性を支配していることを見いだした。 2.反応場が触媒の活性種構造に及ぼす影響を解析する手段として、in-situ UV-Vis測定法を開発した。本装置により、反応雰囲気およびそれらの変動による活性種のダイナミクスを秒単位の時間分解能で観察することを可能とした。 3.Ag担持触媒上でのプロパンによるNO還元反応においては、微量の共存水素がNO還元活性を著しく向上させた。In-situ FT/IR, in-situ UV-Visによる表面種のダイナミクス解析により、共存水素は活性成分のAgに直接作用して、NO還元に有効な表面種を形成させていることが解った。すなわち、共存水素によりAg種は可逆的に還元・凝集してAgクラスターを形成し、この種が反応性の乏しいアルカンを部分酸化により活性化する。結果として還元剤としての部分酸化種(アセテート)の表面濃度が高まり、触媒表面でのNOx種(ナイトレート)との選択反応を促進することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.Satsuma他4名: "Influence of Hydrocarbon Structure on Selective Catalytic Reduction of NO over Cu-Al_2O_3"Appl. Catal. B. 37. 197-204 (2002)
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[Publications] 薩摩篤, 柴田順二, 里川重夫: "反応場による触媒の高機能化-Ag触媒上でのNO選択還元を例として-"化学工学. 66(6). 35-37 (2002)
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[Publications] 志知明, 薩摩篤, 服部忠: "ゼオライト触媒上での炭化水素脱硝における細孔内拡散の影響"化学工業, 53(9), 696-699(2002). 53(9). 696-699 (2002)
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[Publications] A.Satsuma, A.Shichi, T.Hattori: "Zeolite Micropore as Unique Reaction Field for the Selective Catalytic Reduction of NO by Hydrocarbons"CATTECH. 7. 42-51 (2003)
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[Publications] A.Satsuma他4名: "In-situ UV-visible Spectroscopic Study for Dynamic Analysis of Silver Catalyst"Abst. 4^<th> Tokyo Conf. Adv. Catal. Sci. Tech.. 4. 20 (2002)
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[Publications] A.Satsuma他4名: "In-situ FT/IR Study of Selective Catalytic Reduction of NO over Alumina-based Catalysts"Progress in Energy and Combustion Science. (印刷中).
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[Publications] 薩摩篤, 柴田順二, 服部忠: "UV-visibleスペクトルによる固体触媒表面のin-situ観察"Jasco Report. (印刷中).