2004 Fiscal Year Annual Research Report
化学活性官能基の固定化によるメソ多孔性シリカ表面の機能化と精密有機合成への応用
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14350426
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
堤 和男 豊橋技術科学大学, 工学教育国際協力研究センター, 教授 (00013178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 明彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90239088)
岩佐 精二 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30303712)
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Keywords | メソポーラスシリカ / シリカ / 吸着 / 吸着熱 / カロリメトリー / ゼオライト / 環境融和型触媒 |
Research Abstract |
これまでの研究の継続として,均一な細孔構造を有する多孔性シリカ(PS)表面への化学活性官能基(エポキシ基)のアンカーリングとMS骨格内への化学活性官能基(ピリジニル基,チオール基)の導入を試みた。得られた試料を特性化すると共に,以下に示した分子吸着と精密有機合成触媒への応用を検討した。 (1)エポキシ基アンカーリング試料(PS-echx)細孔構造規則性を保持しつつ細孔径を減少させ,官能基修飾後の細孔径が1nm程度になる試料を調製することができた。得られた試料を用いて水蒸気吸着を行ったところ,シリカよりも親水的な挙動を示し,繰り返し水吸着による細孔構造の保持も良好であった。細孔径が1nm程度では細孔内のポテンシャル場が強調されるために,特に低濃度,低相対圧(p/po)での吸着性の向上が顕著であった。デシカント空調,ヒートポンプ用吸着剤としての利用が期待できる。 (2)ピリジニル基導入試料(PS-Py)規則的メソ細孔構造を持ち,骨格内に2-シリルエチルピリジニル基(Py)を有する試料を調製した。この試料にmonooxazolinylphenyl palladium錯体を担持したものを調製した。パラジウム錯体のパラジウムはPS-Pyのピリジニウム基の窒素に配位して担持されていることが示唆された。不均一触媒として,333Kにおける4-iodenitrobenzeneとethynylbenzeneを用いたSonogashiraカップリング反応の反応活性を調べた。その結果,担持前の均一触媒と同等の収率(82%)で反応が進行することを見出した。 (3)チオール基導入試料(PS-SH)規則的メソ細孔構造を持ち,骨格内にチオール基(SH)を有する試料を調製した。さらに,過酸化水素酸化によりSHをスルホナト基(-SO_3H)に変換して固体酸性を賦与した試料を調製した。この試料の酸特性をアンモニア微分吸着熱測定により評価したところ,アンモニア吸着量2.4mmol/gの範囲で150-70kJ/molの微分吸着熱が観測され,固体酸の存在が確認できた。この酸強度はアルミノシリケートゼオライトに匹敵し,固体酸触媒としての応用が期待できる。
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Research Products
(5 results)