2003 Fiscal Year Annual Research Report
新しい固体超強塩基の開発とグリーンケミストリーへの応用
Project/Area Number |
14350427
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山口 力 愛媛大学, 工学部, 教授 (10000861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 政志 愛媛大学, 工学部, 助手 (00274340)
宮崎 隆文 愛媛大学, 工学部, 助教授 (70260156)
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Keywords | 固体塩基 / アルカリ金属塩 / オレフィン異性化 / アルドール縮合 / グリーンケミストリー |
Research Abstract |
新規(超)強塩基性を固体表面上に発生させることを試み、均一塩基溶媒系で行われている現行の多くの塩基触媒型反応を不均一触媒系に転換するグリーンケミストリー化をすすめる。 1族および2族金属塩と無機担体間の組み合わせに関する詳細な検討を行った結果、対象とした各種金属塩ををAl_2O_3と組み合わせることにより目的とする超強塩基性を発現させることに成功した。得られた新規固体塩基は上記化合物の二重結合異性化に対し10mol g^<-1>h^<-1>に達する高い活性を有する。 調製された新規固体塩基触媒はモノエン、アセチレン化合物およびシクロオレフィン類の多重結合異性化反応および脱水素反応のいずれにも高い活性と選択性を有することが明かとなった。一方、液相不均一反応条件下ではアルデヒドのアルドール縮合反応に良好な活性を示すが、気相不均一反応では不活性であった。塩基性が強力なため、アルデヒドの吸着が強すぎるものと推察された。 金属塩はKおよびCsの硝酸塩・炭酸塩およびMg、Ca、Sr、およびBaの硝酸塩・炭酸塩のいずれも出発物質として適切であり、担体の有効性はAl_2O_3>ZrO_2>SiO_2=TiO_2=0であった。 昇温分解法により塩基性発現の関係を検討した結果、湿式混練法で試料を調製する間に、担体表面上で金属塩がカチオンとアニオンにイオン解離し、アニオンのみが独立に分解するため過剰のO^<2->アニオンを発生し塩基性を発現するとの当初の予測を裏付けることができた。 XAFSによる局所構造の測定・解析を予定していたが、測定装置の不具合のため測定が進められず、次年度の検討課題となる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Yamaguchi, Y.Wang, M.Komatsu, A.Suzuki, M.Ookawa: "On the Generation of Basic Properties of Supported Nitrates and Carbonates of Group 1 and Group 2 Elements"Studies of Surface Science and Catalysis. 145. 211-214 (2003)