2004 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニック鳥類によるモノクローナル抗体の卵中への生産
Project/Area Number |
14350434
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上平 正道 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40202022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 信司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00168056)
西島 謙一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10262891)
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Keywords | トランスジェニック鳥類 / モノクローナル抗体 / レトロウイルスベクター / キメラ抗体 |
Research Abstract |
前年度までの研究で、ヒトCD2に対するモノクローナル抗体を生産するマウスハイブリドーマ細胞からH鎖、L鎖の可変領域の抗体遺伝子を取得し、ヒトIgGの定常領域遺伝子と結合させ、ニワトリβ-アクチンプロモーターの制御で、H鎖、L鎖遺伝子を同時に発現するユニットとして、レトロウイルスベクター生産用プラスミドに導入した。ウイルスベクターを生産するパッケージング細胞からウイルスベクターを生産させ、胚に微量注入したのち、胚培養法により孵化させた。孵化させた3羽の個体について、血清中やメンドリで卵中のヒト抗体濃度を測定したところ、血清中では6〜20μg/ml、卵中では卵白で10〜15μg/ml、卵黄で2〜3μg/mlの抗体を生産していた。これらの個体について、長期にわたる抗体生産性について検討したところ、1年以上、血清や卵で安定した生産がみられた。通常の抗体では、Fc領域にN結合型糖鎖が付加しており、抗体の機能発現に重要であることがわかっているが、ニワトリで生産させた抗体でも糖鎖の付加が確認でき、付加した糖鎖の構造を解析したところ、血清中に生産されたものと卵白中で生産されたものでは糖鎖パターンが若干異なっていることがわかった。抗体機能と糖鎖パターンの関係については今後検討するつもりである。作出個体が自然死したため、臓器・組織のサンプルからゲノムDNAを採取して、サザンプロット法によって導入遺伝子のゲノムへの挿入を確認したところ、組織によって導入量の違いはあるものの全ての臓器・組織において導入遺伝子が検出された。また、トランスジェニックニワトリによる抗体生産の一般性と実際の治療抗体の生産を検討するために、リュウマチの治療薬として報告がある抗ヒトTNF-α抗体についてもウイルスベクターの作製を行い、生産性の向上ためにH鎖とL鎖の発現量を制御できる抗体発現ユニットの設計に成功した。
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Research Products
(2 results)