2002 Fiscal Year Annual Research Report
植物におけるRNAiの機構解明と遺伝子制御への応用
Project/Area Number |
14350435
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福崎 英一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40273594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤山 和仁 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助教授 (70209112)
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Keywords | RNAi / tRNA / U6 / シロイヌナズナ / snRNA / ルシフェラーゼ / dual luciferase assay / T7 RNA ポリメラーゼ |
Research Abstract |
1.pol IIIプロモーターを用いたRNAiベクターの開発 RNA polymerase III(pol III)の転写系(tRNAなどの短いRNAを転写する系)には,RNAiベクターを作製する上でプラスに働くと思われるいくつかの特徴(pol IIの系に比べ転写量が多い,tRNAが細胞質移行シグナルとして機能する,など)が見られる.そこで,tRNAおよびU6 snRNAのプロモーターを用いたRNAiベクターを作製し,ホタルルシフェラーゼ遺伝子をレポータとしたdual luciferase assay系によりRNAi効果を観測した.その結果,インゲンのtRNA^<Thr>プロモーターの下流に37bpのIR配列を連結したベクターでは約80%の発現抑制が見られたものの,再現性に乏しかった.一方,シロイヌナズナのU6 snRNAプロモーターの下流に19bpのIR配列を連結したベクターでは,約30%の発現抑制しか見られなかった.この他にもいくつかの構築を作製・検討したが,これまでのところ実用に耐えうるRNAiベクターは得られていない.現在,tRNAプロモーターに焦点を絞り,tRNAの種頴の検討を行っている 2.二本鎖DNA断片とT7 RNAポリメラーゼを用いたRNAi誘導システムの開発 新規の一過性RNAi誘導システムとして,T7プロモーターを付加したプライマーでターゲット配列を増幅し,この二本鎖DNA断片とT7 RNAポリメラーゼを同時に植物細胞に導入することでRNAiを誘導する方法を考案した.ホタルルシフェラーゼ遺伝子をレポータとしたdual luciferase assay系によりRNAiの効果を観測したところ,約500bpの標的配列を含むPCR断片とT7 RNAポリメラーゼの組み合わせでは,約70%の抑制効果が見られた.
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