2002 Fiscal Year Annual Research Report
植物小胞輸送工学-選択的小胞輸送の分子機構解明と外来タンパク質生産系への応用
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14350436
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 和哉 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50252622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤山 和仁 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助教授 (70209112)
関 達治 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (50029245)
新名 惇彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)
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Keywords | ペルオキシダーゼ / プロペプチド / タバコ培養細胞 / EGFP / 小胞体 / 液胞 / タンパク質分泌生産 |
Research Abstract |
西洋ワサビ(Armoracia rusticana)ペルオキシダーゼの液胞局在性アイソザイムC(HRP C)は、N末端およびC末端にプロペプチド(N-terminal propeptide, NTPPおよびC-terminal propeptide, CTPP)を有する前駆体タンパク質として合成される。今年度の研究では、これらのプロペプチドをモデルタンパク質(enhanced green fluorescent protein : EGFP)に付加し、外来タンパク質の細胞内輸送の人為的制御を試みた。NTPP、CTPPをEGFPに融合したNGC、NGおよびGCをコードする遺伝子を作製し、それぞれCaMV 35Sプロモーターの支配下に連結し、タバコ培養細胞(Nicotiana tabacum, BY2)に導入した。薬剤耐性で選抜した各5クローンからノザン解析によって2クローンずつEGFP遺伝子のmRNAを高蓄積するクローンを選抜した。まず、寒天培地で増殖させた細胞を共焦点レーザー顕微鏡下で観察した。プロペプチドを付加しないEGFP/BY2では、主に核に蛍光が観察された。NG/BY2では、核周辺の小胞体と思われる領域に局在することを示す蛍光が観察された。NGC/BY2では小胞体および細胞の大部分を占める液胞に強い蛍光が観察された。これまでのHRP Cの解析結果と考え合わせると、NTPPの付加による外来タンパク質の分泌生産、NTPPとCTPPの付加によるタンパク質の液胞局在化が可能であることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshida, K: "Plant Biotechnology"J.Biosci.Bioeng.. 94巻. 585-590 (2002)
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[Publications] Yoshida, K., Kaothien, P., Matsui, T., Kawaoka, A., Shinmyo, A.: "Molecular biology and application of plant peroxidase genes"Appl.Microbiol.Biotechnol.. (印刷中). (2003)
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[Publications] 吉田和哉, 新名惇彦(編): "植物代謝工学ハンドブック"ニヌティーエス. 780 (2002)
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[Publications] 吉田和哉, 松井健史, 仲山英樹, 新名惇彦: "化学フロンティア(8) コンビナトリアル・バイオエンジニアリング(分担執筆)"化学同人. 213 (2003)