2004 Fiscal Year Annual Research Report
植物小胞輸送工学-選択的小胞輸送の分子機構解明と外来タンパク質生産系への応用
Project/Area Number |
14350436
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 和哉 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50252622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新名 惇彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)
関 達治 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (50029245)
藤山 和仁 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助教授 (70209112)
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Keywords | ペルオキシダーゼ / プロペプチド / タバコ培養細胞 / EGFP / 小胞体 / 液胞 / タンパク質分泌生産 |
Research Abstract |
西洋ワサビ(Armoracia rusticana)ペルオキシダーゼのタンパク質貯蔵液胞局在性アイソザイムC(HRP C)は、N末端およびC末端にプロペプチド(N-terminal propeptide, NTPPおよびC-terminal propeptide, CTPP)を有する前駆体タンパク質として合成される。昨年度までの研究で、HRPCのNTPPが小胞輸送経路の入り口である小胞体へタンパク質を送り込むためのシグナルペプチド、CTPPは液胞局在化シグナルであることを明らかにした。 まず、昨年度までに作製したHRP Cla発現BY2細胞からHRP Claタンパク質を精製し、N-結合型糖鎖の構造解析を行った。その結果、主な構造はMan3FucXylであることがわかった。この構造は、西洋ワサビ組織中HRP ClaのN-結合型糖鎖と同一の構造であり、BY2細胞においても正しい構造の糖鎖付加が行われることがわかった。 また、CTPPが液胞局在化シグナルとして機能するための機能領域の限定および二次構造の重要性について検討した。その結果、15アミノ酸のCTPP(C15配列)のうちC末端側6アミノ酸(C6配列)だけでも液胞輸送能が確認され、一方N末端側の10アミノ酸(N10配列)のみでは液胞輸送能は認められなかった。また一方で、C6配列とは別の輸送経路として、C15配列から構成される両親媒性α-ヘリックス構造が液胞輸送において重要であることを示唆する結果が得られた。本研究で明らかになったC6配列およびC15配列は、植物液胞へのタンパク質高蓄積系を構築する上で有用なツールになると考えられる。
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Research Products
(2 results)