2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350446
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊原 博隆 熊本大学, 工学部, 教授 (10151648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高藤 誠 熊本大学, 工学部, 助手 (50332086)
櫻井 敏彦 熊本大学, 工学部, 助手 (10332868)
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Keywords | オルガノゲル / 誘起キラリティー / 円二色性スペクトル / 自己組織化 / 脂質膜 / 高分子化有機ゲル |
Research Abstract |
光学分割が分離化学における重要な課題となっている背景には,いまだに分離機構が複雑で多様なこと,これに加えて光学活性体の構造的な多様性がさらに拡大傾向にある点と大いに関係している。とくに,薬剤における構造的な多様性は著しく,新たな光学分割法,とくに液体クロマドグラフィのための分離剤の開発が求められている。しかしながら,液体クロマドグラフィの中でも操作法が簡便で,もっとも利用度の高い手法とされる逆相分配系(RP-HPLC)で光学分割を可能とする分離剤はいまだ存在しない。本研究はこのような視点に立ち,逆相分配系て光学分割を可能とする分離剤の開発を目指して研究を遂行した。 本研究の最大の特長は,光学分割の駆動力として弱い相互作用点を分子内で配向させ,これによって分子認識能の増幅(結果として光学分割能を増幅)することにある。そこで本研究の最終年度では,相互作用点としてカルボニル基の高い極性に着目し,配向制御の手法としてポリペプチドにおける2次構造の形成を利用した。具体的には,ポリ(L-アラニン)を多孔質シリカの表面に固定化(グラフト化)して,これを液体クロマトグラフィのための分離剤として利用した。ポリ(L-アラニン)は逆相分配系の溶媒条件下でβ-構造を形成し,結果として分子形状を高精度に識別する分離剤として機能することを確認した。たとえば,ターフェニルのような位置異性体に対しては分子のかさ張りの差を識別し,同様な効果をビナフトールのようなアトロプ異性体に対しても示した。
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Research Products
(6 results)