2002 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウム・カルシウム同時可視化蛍光分子プローブの創製と細胞イメージング測定
Project/Area Number |
14350447
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 孝治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80154540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 祥夫 (財)神奈川科学技術アカデミー, 光化学重点研究室・「地域結集・鈴木グループ」, 研究員 (60321907)
山田 幸司 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30348825)
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Keywords | マグネシウムイオン / 蛍光分子プローブ / 細胞イメージング / ニューラルネットワーク / β-ジケトン |
Research Abstract |
本年度は、これまでに開発したマグネシウム蛍光プローブ(KMG-20、KMG-29など)を改良したKMG-104の設計・合成し、その特性について評価した。KMG-104は、マグネシウムイオンと高選択的に錯形成するβ-ジケトン部位と、蛍光発色団としてフルオレセインを併せ持つ骨格を有している。マグネシウムイオンと錯形成することにより、光誘起電子移動が阻害され、蛍光強度が増加するように設計している。KMG-104とマグネシウムイオンおよび他のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンとの錯形成挙動について、吸収スペクトルおよび蛍光スペクトル測定を用いて評価した。 KMG-104はマグネシウムイオンと錯形成した時のみ、蛍光強度の大幅に増加した。一方、妨害となるカルシウムイオンおよびナトリウムイオン、カリウムイオンなどを添加した時、蛍光スペクトルは全く変化しなかった。マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンの解離定数を算出したところ、それぞれ4.0mM、16.0mMであり、カルシウムイオンに対して約4倍の選択性を有していた。 次にKMG-104のカルボキシル基をアセトキシメチル化した後、DMSOに溶解し、この溶液を生細胞の培養液に添加することにより、KMG-104を生細胞中に投与した。蛍光顕微鏡を用いて観察したところ、KMG-104は細胞質に均一に分散していた。ここに細胞内のマグネシウムイオン濃度を増加させる刺激を与えると、蛍光強度は時間の経過と共に増加した。またこの様子は、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡を用いて観察することに成功した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Suzuki, H.Komatsu, T.Ikeda, N.Saito, S.Araki, D.Citterio, H.Hisanioto, Y.Kitamura, T.Kubota, J.Nakagawa, K.Oka, K.Suzuki: "Design and Synthesis of Mg^<2+> Selective Fluoroionophores Based on Coumarin Derivative and Application for the Mg^<2+> in a Living Cell"Analytical Chemistry. Vol.74, No.6. 1423-1428 (2002)
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[Publications] Y.Suzuki, N.Saito, H.Komatsu, D.Citterio, T.Kubota, Y.Kitamura, K.Oka, K.Suzuki: "Design and Application of Novel Fluorescent Indicators of Mg^<2+>"Analytical Science. Vol.17. i1451-i1454 (2002)