2002 Fiscal Year Annual Research Report
π共役系分子・高分子からなる2光子光加工材料の開発
Project/Area Number |
14350455
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河合 壯 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40221197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畠 誠也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00325507)
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Keywords | ジアリールエテン / 2光子吸収断面積 / 2光子吸収断面積 / Zスキャン / π共役高分子 / ドナー・アクセプター |
Research Abstract |
2光子光加工材料の開発のために2光子感受性の評価を目指して、2光子吸収断面積の定量評価装置を開発した。フェムト秒超単パルスレーザーを光源としてZスキャン法により焦点付近における透過率変化を定量することで、2光子吸収断面積を測定した。測定装置としてはZスキャン用ステージコントローラの自動化と透過光量を検出する光パワーメータの自動データ取得を可能とした。標準物質としてZnSe板を用いた。検討の結果、1x10-49AU程度の2光子吸収断面積の定量が可能となった。 フォトクロミック分子であるジアリールエテンに対して化学修飾を施すことにより2光子吸収断面積を増強する目的で、置換基としてドナー性を有するπ共役置換基を導入した。この化合物は、可逆なフォトクロミック反応を示した。フェムト秒短パルスレーザー光(λ=800nm)の焦点付近に溶液を置くと、明瞭な2光子励起蛍光が観測された。また、光着色が確認され、2光子フォトクロミック反応が可能であることが明らかになった。光反応生成物である閉環体の生成量を検討したところ、照射光強度の2乗に比例することが見出され、2光子反応であることが確認された。 フォトクロミック反応に伴い、物性が劇的に変化する高分子材料の開発を目指して、主鎖にジアリールエテンを含有するπ共役高分子の合成を行った。合成には鈴木カップリングを利用した。得られた高分子は、市外光および可視光照射により、可逆に着色・退色する現象を見出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kawai, M.S.Kim, T.Sasaki, M.Irie: "Fluorescence swithcing in photochromic diarylethenes"Optical Materials. 21. 275-278 (2003)
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[Publications] M.S.Kim, T.Kawai, M.Irie: "Fluorescence modulation in photochromic amorphous diarylethenes"Optical Materials. 21. 271-274 (2003)
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[Publications] M.Irie, T.Fukaminato, T.Sasaki, N.Tamai, T.Kawai: "A Digital fluorescent molecular photoswitch"Nature. 420. 759-760 (2002)
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[Publications] T.Yutaka, T.Kawai, M.Irie, H.Nishihara: "Photoluminescence switching of azobenzene-conjugated Pt(II) terpyridine complexes by trans-cis photoisomerization"Inorganic Chemistry. 71. 7143-7150 (2002)
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[Publications] S.Takami, T.Kawai, M.Irie: "Photochromism of Dithiazolylethenes Having Methoxy Groups at the Reaction Centers"European Journal of Organic Chemistry. 2002. 3800-3805 (2002)
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[Publications] C.Okabe, N.Tanaka, T.Fukaminato, T.Kawai, M.Irie: "Raman Spectroscopic Study on Photochromic Reaction of a Diarylethene Derivative"Chemical Physics Letters. 357. 113-118 (2002)