2004 Fiscal Year Annual Research Report
π共役系分子・高分子からなる2光子光加工材料の開発
Project/Area Number |
14350455
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学教育研究センター, 教授 (40221197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 琢也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学教育研究センター, 助手 (70379543)
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Keywords | 2光子吸収 / フォトクロミック分子 / 導電性高分子 |
Research Abstract |
2光子光加工材料の開発のために2光子感受性の評価を目指して開発した2光子吸収断面積の定量評価システムを用いて、種々のフォトクロミック分子材料の2光子吸収断面積を評価した。代表的なフォトクロミック分子であるジシアノ型ジアリールエテンの2光子吸収断面積を評価したところおよそ6GMでこれは既に推定されていた値とほぼ一致した。さらに2光子吸収断面積の大きなジアリールエテン誘導体分子をめざして材料開発に取り組んだ。ジアリールエテン内にドナー・π・ドナー構造を導入した分子では2光子吸収断面積がおよそ50GMであることを見出した。さらに2量体化することにより2光子吸収断面積の増強を図った結果、90GMの2光子吸収断面積を確認した。また、800nm程度の波長のフェムト秒短パルスレーザー光を照射することによる2光子誘起フォトクロミック反応に伴う着色反応を確認した。その着色速度は光強度の2乗に比例したことから2光子フォトクロミック反応であることを確認した。2光子フォトクロミック反応の速度の波長依存性を検討したところ、その作用スペクトルは1光子吸収スペクトルの2倍波長スペクトルとほぼ一致した。 また、フォトクロミック反応に伴い物性が変化する高分子材料の開発を目指して、主鎖にジアリールエテンを含有するπ共役高分子の合成を行った。フォトクロミック反応に伴う導電率の変化を見出した。これは光により導電率が制御された始めての分子システムである。
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Research Products
(6 results)