2004 Fiscal Year Annual Research Report
選択的溶出法による新規H型層状ペロブスカイトの合成とその高機能光触媒への変換
Project/Area Number |
14350462
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅原 義之 早稲田大学, 理工学術院・理工学部, 教授 (50196698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安盛 敦雄 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (40182349)
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Keywords | 層状・層間化合物 / イオン交換体 / 光触媒 / 選択的溶出反応 / ペロブスカイト |
Research Abstract |
【H型層状ペロブスカイトH_<1.8>Sr_<0.8>Bi_<0.2>Ta_2O_7とアルコールとの反応】光触媒による水からの水素発生において犠牲試薬として一般的に使用されるη^-アルコールとAurivillius相Bi_2SrTa_2O_9の酸処理により得られるH_<1.8>Sr_<0.8>Bi_<0.2>Ta_2O_7との反応を検討した。H_<1.8>Sr_<0.8>Bi_<0.2>Ta_2O_7とη^-アルコールを直接反応させた場合では反応が進行しなかった。しかし、η^-ブチルアミンとH_<1.8>Sr_<0.8>Bi_<0.2>Ta_2O_7を反応させ得られたη^-ブチルアミン層間化合物を中間体としてη^-プロパノールとオートクレーブ中で反応(180度)させると、XRD分析より層間隔は2.13nmから1.80nmへ変化した。固体^<13>C NMR分析ではη^-プロポキシ基に帰属できるシグナルのみが観察でき、Ta-O-C結合に帰属できるアルファ炭素のシグナルが出現したことより、H_<1.8>Sr_<0.8>Bi_<0.2>Ta_2O_7のη^-アルコキシ基修飾体の合成が確認できた。またη^-プロポキシ基修飾体とη^-デカノールとのアルコール交換反応を試みたところ、層間隔が増加していた。また、固体^<13>C NMR分析ではη^-デコキシ基のシグナルを観察し、η^-プロポキシ基のシグナルが消失していたことから層表面のアルコール交換反応が進行したことがわかった。 【H型層状ペロブスカイトH_<1.8>Sr_<0.8>Bi_<0.2>Ta_2O_7の光触媒特性】Aurivillius相Bi_2SrTa_2O_9とその酸処理により得られるH_<0,8>Sr_<0.8>Bi_<0.2>Ta_2O_7について、バンドギャップの測定と光触媒特性の評価を行った。紫外可視拡散反射スペクトルから見積もったバンドギャップは、酸処理前が3.6eV、酸処理後が3.7eVとなり、酸化ビスマスシートの選択的溶出によりバンドギャップが拡大していた。これはビスマスの軌道が価電子帯あるいは伝導帯の形成に大きく関わっているためと考えられた。エタノール水溶液からの水素発生で光触媒活性を評価したところ、両者とも活性を示さなかった。3層構造のH型タンタル酸層状ペロブスカイトでは同じ評価方法で触媒活性が認められたことから、Taの軌道エネルギーの問題ではないと推定される。
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Research Products
(1 results)