2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350465
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北爪 智哉 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (30092547)
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Keywords | イオン性液体 / アルドール反応 / グリーンケミストリー / 反応場 / 選択性 / フッ素化合物 / 再使用可能 |
Research Abstract |
イオン性液体の進化型反応場とし設計合成したものは、クラウンエーテル結合型イオン性液体であり、進化型反応場として繰り返し使用することが可能であることを明らかにした。フッ素化反応において、5回目の反応においても収率は変化していないことを確認している。この反応場を進化型と称しているのは、クラウンエーテルが補足したカリウムカチオンが水洗することによりクラウンエーテルから外れ、反応場の機能が回復し、繰り返し利用できることに基因している。また、クラウンエーテルーイオン性液体反応場においては、2回目から収率は格段に低下してしまい、クラウンエーテルが捕らえたカリウムカチオンの脱着機能が発現しないことも明らかにしている。この機能進化型反応場を用いたカルボキシル化反応でも高収率で目的物を得ることができ、繰り返し反応場を利用することができることも明らかにしている。 さらに、イオン性液体中での高選択的合成法の開発という課題については、ジエチルアミノトリメチルシランを用いてフッ素系ヘミアセタールとの反応を行い、高選択的にフッ素系オレフィン類を合成できることを見いだし、結果を論文として雑誌に投稿し、印刷中である。イオン性液体中での金属試薬の生成とその反応性という展開では、イオン性液体に含有する水分が原因で生成した金属試薬が反応温度を上昇させることにより分解していく現象を見いだし、水分含量の多いイオン性液体では、アルケニル亜鉛試薬のMichael付加反応が進行しないこともあるという結果を得ている。 触媒として不斉有機分子や抗体酵素を利用するMichael付加反応についても考察しており、プロリンを触媒として使用し、アルデヒド類を基質とし、受容体としてフッ素系オレフィンを利用した反応では第一段階の付加反応で生成した物質にさらにアルドール型反応が進行することを見いだしている。一方、抗体酵素触媒下での同じ反応系では、第一段階で生成したアルデヒド類がカルボン酸へと変換されることを明らかにしており、両者の触媒能の相違についでの知見を得ている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Kitazaume, Z.Jiang, K.Kasai, Y.Mihara, M.Suzuki: "Synthesis of fluorinated materials catalyzed by proline or antibody 38C2 in ionic liquid"J.Fluorine Chem.. 121. 205-212 (2003)