2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350471
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤澤 清史 筑波大学, 化学系, 助教授 (10251670)
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Keywords | 遷移金属錯体 / 酸素錯体 / 分光解析 / 電子構造 / 反応機構 / モデル錯体 / 水酸化反応 / 均一触媒反応 |
Research Abstract |
本研究では、今までの研究をさらに発展させるとともに、配位子を新しく合成し、新規な不安定中間体としての酸素錯体を単離・合成し、その精巧な電子構造を解明することを目的としている。さらに金属タンパク質における酸素の活性化機構に関する統一的理解を目指し、多くの生体類似合成モデル錯体の合成・解析を行う。申請者はヒドロトリス(ピラゾリル)ボレートを配位子として主に銅-酸素錯体の合成、詳細な分光学的解析をスタンフォード大学ソロモン研究室と共同で行ってきた。また、鉄-酸素錯体の反応機構の解明をミネソタ大学キェイ研究室と共同で行っている。以下に本年度に得られた成果を簡単に述べる。 1.金属側にさらに嵩高いアダマンチル基を導入した配位子を新規に合成し、単核銅2価錯体の合成を行い、かさ高さの違いからくる、構造、性質について議論した。 2.単核銅1価錯体と単体硫黄との反応で2核のμ^-η^<2->η^2型ジスルフィド錯体が得られた。カーリンらのトランス型ジスルフィド錯体との構造と及び詳細な電子構造の比較検討を行った。 3.α-ケト酸を活性中心に持つ酵素の反応機構を解明するためにモデル錯体を用いた反応速度の詳細な検討を行った。この結果、電子押しの置換基を導入すると水酸化反応は速くなり、また、安息香酸よりα-ケト酸を用いた方が、反応速度が速かった。このことから、酵素内でα-ケト酸を用いる有用性が再認識できた。配位子に電子吸引性の塩素を導入し、同様な反応を行うと反応速度が遅くなった。このことから、求電子性の鉄4価オキソの存在が確かめられた。 4.トリス(ピラゾリル)メタンを配位子として遷移金属錯体の構造、性質の追及を行った。トリス(ピラゾリル)ボレートを配位子とした錯体との構造及び性質の違いを考察した。また、これを用いて、酸素錯体の合成を行い、詳細な性質の検討も併せて行った。 以上のように、遷移金属-酸素錯体、均一系遷移金属触媒に関して多くの成果を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] P.Chen, K.Fujisawa, M.E.Helton, K.D.Karlin, E.I.Solomon: "Spectroscopy and Bonding in Side-On and End-On Cu_2(S_2) Cores : Comparison to Peroxide Analogues"J.Am.Chem.Soc.. 125. 6394-6408 (2003)
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[Publications] M.P.Mehn, K.Fujisawa, E.L.Hegg, L.Que, Jr.: "Oxygen Activation by Nonhem Iron(II) Complexes : α-Keto Carboxylate versus Carboxylate"J.Am.Chem.Soc.. 125. 7828-7842 (2003)
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[Publications] C.Kashima, H.Yokoyama, S.Shibata, K.Fujisawa, T.Nishio: "Asymmetric Conjugate Addition Reaction Using Pyrazole Derivatives as a Chiral Catalyst"J.Heterocycl.Chem.. 40. 717-719 (2003)
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[Publications] K.Fujisawa, N.Tada, Y.Ishikawa, H.Higashimura, Y.Miyashita, K.Okamoto: "The most hindered hydrotris(pyrazolyl)borate ligand ; X-ray structures of chlorocopper(II) complexes : [Cu(Cl){HB(3-Ad-5-Pr'pz)_3}] as compared with [Cu(Cl){HB(3-Bu´-5-Pr´pz)_3}]"Inorg.Chem.Commun.. 7. 209-212 (2004)
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[Publications] K.Fujisawa, T.Ono, H.Aoki, Y.Ishikawa, Y.Miyashita, K.Okamoto, H.Nakazawa, H.Higashimura: "Copper(II) Complexes with a Novel Tris(3,5-diisopropyl-1-pyrazolyl)methane Ligand"Inorg.Chem.Commun.. 7. 330-332 (2004)
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[Publications] K.Fujisawa, Y.Ishikawa, Y.Miyashita, K.Okamoto: "Crystal Structure of Pyrazolato-Brideged Copper(I) Polynuclear Complexes"Chem.Lett.. 33. 66-67 (2004)