2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350472
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
占部 弘和 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (10176745)
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Keywords | アルシオプテロシン / チタナシクロペンタジエン / チタンアルコキシド / ピリジルチタン / ピリジンアルデヒド / プラジミシン / ベンジルチタン / レッペ反応 |
Research Abstract |
アセチレンアミドと末端アセチレンおよび2価チタンアルコキシド試薬(Ti(O-i-Pr)_4/2i-PrMgCl)から位置選択的に発生したチタナシクロペンタジエンに、スルホニルニトリルを作用させるとカップリング反応が進行し、α-ピリジルチタン化合物が単一の異性体として収率良く得られた。このα-ピリジルチタン化合物は、種々の求電子試薬と反応し、炭素鎖伸長や官能基変換が行なえた。あるいは、同様に発生したチタナシクロペンタジエンにα-アルコキシニトリルを作用させると、これの取り込みと同時にアセチレンに由来するアミド基のアルデヒドへの還元が進行し、ピリジンアルデヒドが単一の異性体として一挙に得られた。これらの反応は、異なる2つの非対称アセチレンとニトリルからただ1種類のピリジン合成を達成した初めての例であり、さらに前者ではメタル化されたピリジンの直接合成を可能にした画期的なものである。 さらに、アセチレンエステルと末端アセチレンから同様に発生したチタナシクロペンタジエンに、プロパルジルブロミドを作用させると、ベンジルチタン化合物がただ1つの異性体として収率良く得られた。したがって、本反応は異なる3種の非対称アセチレンから、ただ1種類の芳香族有機金属化合物を発生する新たな形式のmetalative Reppe反応を提供するものである。この反応は、分子内アセチレンカップリング反応にも適用でき、立体的に混み合ったベンジルチタン化合物の新規な発生法としても有用である。ここで発生したベンジルチタン試薬の種々の求電子試薬との反応形式も明らかにした。 以上の反応および既に報告したアリールチタン化合物の直接合成法を利用し、それぞれ抗腫瘍細胞作用を持つアルシオプテロシンの最初の合成と、抗HIV剤プラジミシンの芳香環部位の短工程合成を達成した。
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[Publications] D.Suzuki, R.Tanaka, H.Urabe, F.Sato: "Selective Syntheses of Metalated Pyridines from Two Different Unsymmetrical Acetylenes, a Nitrile, and a Titanium(II) Alkoxide"J.Am.Chem.Soc.. 124・14. 3518-3519 (2002)
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[Publications] R.Tanaka, Y.Nakano, D.Suzuki, H.Urabe, F.Sato: "Selective Preparation of Benzyltitanium Compounds by the Metalative Reppe Reaction. Its Application to the First Synthesis of Alcyopterosin A"J.Am.Chem.Soc.. 124・33. 9682-9683 (2002)
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[Publications] R.Tanaka, S.Hirano, H.Urabe, F.Sato: "Concise and Stereoselective Synthesis of Enamides and Dienamides by a Titanium-Mediated Coupling Method"Org.Lett.. 5・1. 67-70 (2003)