2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350483
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑中 研一 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (70167584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕谷 マリアカルメリタ 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30334361)
佐藤 智典 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00162454)
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Keywords | 糖鎖プライマー / 糖鎖ポリマー / 糖鎖合成 / 糖脂質 / 二重結合 / 細胞内導入 |
Research Abstract |
B16メラノーマ細胞を用いて、末端に官能基を持つ合成糖鎖プライマーが実際に細胞内に取り込まれて糖鎖伸長反応を受けるかどうかをHPTLCから評価した。末端にビニル基を持つラクトシドを投与したもの、末端にアクリル基を持つラクトシドを投与したものをコントロールと比較すると、それぞれのラクトシドと同じ位置に新たなバンドを確認することができた。このことから、これらの糖鎖プライマーは細胞内に取り込まれていることがわかった。しかしながら末端にビニル基を持つラクトシドと末端にアクリル基を持つラクトシドは、従来型のn-ドデシルラクトシドと比較すると、バンドが薄く細胞への取り込みが悪いことが示唆された。一方、培地画分のHPTLCでは、末端にビニル基を持つラクトシドを投与したものでは、プライマー以外に下方に一つ新たなバンドが現れたのを確認できた。このことからビニル基を持つラクトシドは細胞内で糖鎖伸長を受け、その生成物は細胞外に放出されていることがわかった。この新規バンドはレゾルシノール-塩酸試薬により染色を受けることからシアル酸が伸長されたことを強く示唆した。これに対して、末端にアクリル基を持つラクトシドを投与したものでは生成物が確認されなかった。HPTLCの結果から末端にビニル基を持つ糖鎖プライマーをB16細胞に投与したところ、細胞によって糖鎖伸長された生成物が確認された。生成物のMALDI-TOFMSから、生成物は糖鎖プライマーに1つシアル酸が付加した化合物であることが推定できる。末端にビニル基を持つラクトシドの糖鎖伸長反応の効率が悪いのは細胞内にあまり取り込まれていないためと考えられる。
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Research Products
(7 results)