Research Abstract |
1 感光性ポリ(フェニレンエーテル)の開発では,酸化カップリング重合によりポリ(2-ヒドロキシ-6-メチルフェノール/2,6-ジメチルフェノール)の共重合体を合成し,その水酸基をt-ブトキシカルボニルメチル基に変換した。そして,その脱t-ブチルおよび炭酸反応を検討した。その結果,脱t-ブチルは容易に進行したが,脱炭酸は無水物結合の生成により完全に起こらなかった。現在,別ルートを考案中である。 2 感光性ポリ(ナフタレン)の開発では,まず,Cu/アミン触媒を用いて2,6-ジヒドロキシナフタレンの酸化カップリング重合を検討し,数平均分子量が5万を越えるポリ(2,6-ジヒドロキシナフタレン)(PHN)の合成に成功した。次に,このPHNをポリマーマトッリクスとして用い,感光性溶解抑制剤(DNQ)との組み合わせにより感度300mJ/cm^2,コントラスト2.1,解像度6μmを有する感光性ポリマーを得た。さらに,このポリマーの屈折率より求めた誘電率は2.8であった。以上のようにアルカリ現像可能なポジ型低誘電性,耐熱感光性ポリマーを得ることができた。次に,架橋剤と光酸発生剤との組み合わせによるアルカリ現像可能なネガ型低誘電性,耐熱感光性ポリマーの検討を行い,感度300mJ/cm^2,解像度8μm,誘電率2.8を有するレジストを開発した。 3 全脂環式感光性ポリイミドの開発では,まず,脂環式二無水物とシリル化ジアミンから高分子量のポリ(アミド酸シリルエステル)(PASE)の合成に成功した。次に,このPASEとDNQからの感光性ポリイミド合成を検討し,このレジストが感度60mJ/cm^2,コントラスト1.7,解像度10μmを有することを見出した。さらに,このポリマーの屈折率より求めた誘電率は2.4であり,目的のアルカリ現像可能なポジ型低誘電性,耐熱感光性ポリマーを得ることができた。
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