2002 Fiscal Year Annual Research Report
メタクリルアミド誘導体のらせん選択ラジカル重合に関する研究
Project/Area Number |
14350485
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡本 佳男 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60029501)
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Keywords | らせん高分子 / イソタクチック特異性重合 / メタクリルアミド誘導体 / ラジカル重合 / 不斉重合 / らせん選択重合 |
Research Abstract |
N-(トリフェニルメチル)メタクリルアミド(TrMAM)を合成し、そのラジカル重合をTHF中で行なった。得られたポリマーは、通常の有機溶媒に不溶であったが、濃硫酸には側鎖の脱離を伴い溶解した。そこで、生成ポリマーの立体規則性を評価するために、重硫酸中でポリマーの^1H NMRを測定した。得られたスペクトルと立体規則性の分かっているポリメタクリルアミドのスペクトルの比較から、得られたポリ(TrMAM)は、高いイソタクチシチーを有していることが示され、特に-40℃の低温で合成したポリマーはほぼ100%のイソタクチシチーを有していることが明らかとなった。また、光学活性なメントールとTHFの混合溶媒中でTrMAMのラジカル重合を行なったところ、得られたポリマーの流動パラフィン中での固体円二色性偏光(CD)測定で、一方向巻きに偏ったらせん構造に由来すると見られるCDスペクトルが観測された。 さらに、ポリマーの溶解性を向上させる目的で、TrMAMのフェニル基のパラ位にn-ブチル基を導入したN-(4,4'-ジ-n-ブチルトリフェニルメチル)メタクリルアミド(DBuTrMAM)を設計し、同様に光学活性なメントール中でラジカル重合した。得られたポリマーはTHFやクロロホルムなどの通常の有機溶媒に可溶であった。重硫酸中での^1H NMRの結果からほぼ100%のイソタクチシチーを有していることが示された。CD測定では、プラス体もしくはマイナス体のメントールを用いて得られたポリマーのスペクトルは正負対照的なコットン効果に基づく吸収パターンを示した。また、プラス体、マイナス体のメントールを用いて、0℃で得られたポリマーのD線の旋光度はそれぞれ-22°、+20°となり、逆の旋光性を有するポリマーが生成した。光学活性なメントール中で重合することにより、左右どちらかに偏ったらせん構造を有するポリマーが生成したものと推測される。
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