2002 Fiscal Year Annual Research Report
発光性有機固体中における電荷・励起子相互作用の解明とデバイス応用
Project/Area Number |
14350500
|
Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
安達 千波矢 千歳科学技術大学, 光科学部, 助教授 (30283245)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雀部 博之 千歳科学技術大学, 光科学部, 教授 (20015126)
|
Keywords | 励起子失活 / T-T annihilation / S-S annihilation / 有機EL / 有機発光ダイオード |
Research Abstract |
OLEDの発光層にIr系のりん光材料を用いると低電流密度下ではη=10%以上の非常に高い発光量子効率(η)が得られるが、高電流密度下(J≧100mA/cm^2)ではTriplet-Triplet annihilation(TTA)による急激な量子効率の減少(Roll-off現象)が生じる。本研究において我々は、発光層に蛍光材料を用いた場合においても高電流密度下(J≧100mA/cm^2)ではSinglet-Singlet annihilation(SSA)による発光効率の減少機構を提案した。さらに、TTAに基づく発光効率の増大現象も報告され、OLEDにおける発光効率の電流密度依存性は精密な測定を行うと、ηの増大や減少が電流密度に応じて実に多様な様相を示すことを見出した。そこで本研究では蛍光材料系において、(A)発光効率が緩やかに上昇していく領域、(B)発光効率が急速に減少していく領域に分けて、現象の解析を行った。陰極にCs/Alを用いた場合、電流密度が70mA/cm^2以下では電流密度に対して量子効率が一定であり、MgAg陰極では量子効率が電流密度と共に緩やかに上昇している。このように電極構成の最適化からJ≦70mA/cm^2までの領域において、ηを一定に保つことが可能であり、TTAによるη向上ではなく、キャリア注入バランスによりηが変動するものと考えられる。ストリークカメラの観測結果からもAlq_3膜から遅延蛍光は観測されなかった。以上のことよりJ≦70mA/cm^2での量子効率の上昇はキャリア注入バランスが電流密度上昇に伴い均衡するためと考えられる。次に高電流密度下(J≧100mA/cm^2)での量子効率の変動であるが、陰極半径の検討によりジュール熱を抑制することによりSSA modelと良好な一致が得られた。今度、annihilationが生じないデバイス設計を検討していく。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 合志憲一, 安達千波矢: "ゲスト-ホスト系におけるリン光材料の発光メカニズム"The papers of Technical Meeting on Electronic Materials, IEE Japan. EFM-03-4. 15-19 (2003)
-
[Publications] T.Oyamada, C.Maeda, H.Sasabe, C.Adachi: "Efficient electron characteristics of tetra-2-pyridinylpyrazine (TPP) in organic light emitting diodes"Chemistry Letters. 32(4). 388-389 (2003)