2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350501
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
芦高 秀知 千歳科学技術大学, 光科学部, 教授 (90316290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 淳一 千歳科学技術大学, 光科学部, 教授 (40316295)
緒方 直哉 千歳科学技術大学, 光科学部, 名誉教授 (40053574)
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Keywords | DNA / 光ファイバー / 旋光強度 / 旋光能 / 鮭 / 紡糸 / ファイバー |
Research Abstract |
鮭白子由来のDNAを用いたDNA-CTA複合体(CTA:セチルトリメチルアンモニウム)を原料とする透明DNAファイバーの製造法の改善と、旋光強度などDNAファイバーの光機能の測定を行なった。 これまでに可視・近赤外領域で50dB/m以下の低損失DNA-CTAファイバーを得ることに成功していたが、高光損失のファイバーが得られることも多かった。低光損失値の再現と光伝送損失値のさらなる低減を目指して、DNAとDNA-CTAの精製法を検討し、活性炭処理とフィルターろ過の組み合わせにより透明性が改善されることを確認した。微細ゴミやDNA-CTAのミクロクリスタルやDNAと鮭蛋白質(サルミン)との複合体などの除去に効果があったと考えている。さらに溶融紡糸における曳糸性を改善するために、プランジャー式紡糸装置の紡糸ノズル付近を水蒸気雰囲気にした紡糸実験を繰り返し紡糸装置を改善するとともに、新たにスクリュー式紡糸装置による紡糸の準備を行なった。 溶融紡糸によって得られた長さ140mm、径0.57mmのDNA-CTAファイバー軸方向の旋光強度を、偏光He-Neレーザ(500;1、633nm)を用いて、出射光側を約0.3mmづつカットしてアナライザーの角度を測定するカットバック法により測定した。旋光能は、120°/mmと非常に高い値が得られた。この値は乾式紡糸ファイバーの旋光能27°/mmと比較して非常に大きく、配向度など構造上の違いが反映されたものと考えられる。色素ドープDNAファイバーの旋光強度の光又は電場による変化の実験を計画しているが、その前にDNA-CTAファイバー自身の旋光強度の電場変化実験を行なった。溶融紡糸ファイバーの側部(印可長40mm)から2.9kV/mm迄の高電場を掛けたが、電場変化による旋光変化は見られなかった。
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