2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷型溶媒によるキチン・キトサンの生医学材料化に関する研究
Project/Area Number |
14350504
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
戸倉 清一 関西大学, 工学部, 教授 (40000806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 隆志 関西大学, 工学部, 助教授 (50239414)
浦上 忠 関西大学, 工学部, 教授 (80067701)
田村 裕 関西大学, 工学部, 助教授 (20163694)
木船 紘爾 甲陽ケミカル(株), 製造部長(研究職)
前田 睦浩 順天堂大学, 医学部, 講師 (10201766)
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Keywords | キチン / 塩化カルシウム・2水塩 / 溶解性 / 不織布 / 繊維 / 医薬輸送担体 / 脱アセチル化度 / キトサン |
Research Abstract |
前年度は、カニやエビ殻由来のキチンが塩化カルシウム2水和物飽和メタノールに溶解する機構について研究し、その基本的性質が明らかにされ、キチン100%の不織布を作製することができたので、本年度は、前年度のキチン溶液の性質を参考にしてキチン繊維の紡糸について検討した。 キチンの塩化カルシウム2水和物飽和メタノール溶液濃度は最高2%であるが、この溶液の粘度は非常に高いため1%とした。凝固液組成は種々検討した結果メタノールとアセトンの混合溶液が最適であった。カニやエビ殻由来のα-キチンの場合、0.1mm径の30穴ノズルを用い、新たに考案したV字型凝固浴に押し出し回転ローラーで巻き取った。繊維にはカルシウムが残存しているので、メタノール中で充分洗浄して脱カルシウム操作を行った後、風乾して直径約40μmのα-キチン繊維を得た。一方、イカの背骨の主成分であるβ-キチンの塩化カルシウム2水和物飽和メタノール溶液はα-キチン溶液よりも遙かに粘度が高いため、0.1mm径の30穴ノズルで押し出すことができなかった。そこで、0.5mm径のシングルノズルを用いさらに約50cmのエアギャップを設けることで繊維化が可能であった。α-キチン繊維の強度は乾燥状態(400Mpa)の方が湿潤状態の約2倍であったが、β-キチン繊維では湿潤状態の方が乾燥状態よりも遙かに強く、特異な特性を示した。SEM観察によるとβ-キチン繊維は数μmの細い繊維の集合体を形成していることが判った。β-キチン繊維の特異な性質はその形態に起因していることが予想される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Tamura, M.Sawada, T.Higuchi, S.Tokura: "Regulation of Crystalline Structure for Chitin and Chitosan"Carbohydrate Polymers. (in press).
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[Publications] 戸倉清一, 田村 裕: "平野茂博監修"キチン・キトサンの開発と応用" 第3章「温和な溶媒を使ったキチンの溶解とその応用」"シーエムシー出版. 284 (2003)