2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷型溶媒によるキチン・キトサンの生医学材料化に関する研究
Project/Area Number |
14350504
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
戸倉 清一 関西大学, 工学部, 教授 (40000806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 裕 関西大学, 工学部, 助教授 (20163694)
浦上 忠 関西大学, 工学部, 教授 (80067701)
宮田 隆志 関西大学, 工学部, 助教授 (50239414)
木船 紘爾 甲陽ケミカル(株), 製造部長(研究職)
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Keywords | キチン / 塩化カルシウム・2水塩 / 溶解性 / 不織布 / 繊維 / 医薬輸送担体 / 脱アセチル化度 / キトサン |
Research Abstract |
キチンが塩化カルシウム2水和物飽和メタノール溶液に溶解して安定なキチン溶液となることを明らかにした。キチンの溶解挙動をさらに詳細に検討したところ、カルシウム、メタノール、水の組成がキチン溶解に大きく影響していることが判った。塩化カルシウム2水和物メタノール溶液中の水含有率が増加するとキチンの溶解度は低下したことから、塩化カルシウム2水和物飽和メタノール溶液に溶解させたキチン溶液に水を加えるとキチンが沈殿してくることが予想される。得られた物質は含水率が約96%と高度に膨潤したヒドロゲル状であった。カルシウムを除去するために透析処理するとカルシウムフリーのキチンヒドロゲルが得られた。また、キチン溶液にメタノールを加えることでもゲル状物質が得られた。しかしこの場合、ゲルを得るには水の場合よりも多くのメタノールを必要とし、さらに透析によるカルシウム除去に長期間かかることより、メタノール媒体中でキチンの溶解状態が異なることが示唆された。 得られたキチンヒドロゲルの酵素加水分解速度をキチン粉末の場合と比較したところ、キチナーゼ、リゾチームによる酵素加水分解は極めて迅速に進行することが判った。 さらにキチンヒドロゲルからは容易にフィルムを調製することができた。これはバインダーを含まないキチン100%から成るフィルムであり、生体適合性、生体消化性に優れていることからバイオマテリアルとして有望であると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Feasibility of Polysaccharide Hybrid Materials for Scaffolds in Cartilage Tissue Engineering : Evaluation of Chondrocyte Adhesion to Polyion Complex Fibers Prepared from Alginate and Chitosan2004
Author(s)
N.Iwasaki, S.Yamane, T.Majima, A.Minami, K.Harada, S.Nonaka, N.Maekawa, H.Tamura, S.Tokura, K.Monde, S.Nishimura
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Journal Title
Biomacromolecules Vol.5,No.3
Pages: 828-833
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