2004 Fiscal Year Annual Research Report
密度原子酸素を得ることのできる高性能アーク風洞の開発
Project/Area Number |
14350507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小紫 公也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242825)
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Keywords | 高エンタルピー流 / アーク風洞 / 原子状酸素 |
Research Abstract |
高密度の酸素原子を得るために,中空型カソードタイプのアーク風洞を試作し,その中空部から酸素を直接カソード先端領域の高温部(カソードジェット領域)に供給した。また、測定精度、感度を向上させるために、外部共振器型半導体レーザーを利用してマルチパスセルを構成する測定システムの開発に着手した。 1)中空型カソードタイプのアーク風洞の開発 昨年度、酸素を注入するポートを、カソード中心に設け、酸素原子密度(準安定準位)は、従来のアーク風洞で得られる数密度よりも約5倍に増加した。しかし、カソード、アノードとも損傷が激しく、数分で不安定な作動に陥った。そのため、アノードに関しては、電極形状の設計変更を行うとともに、アルゴンポートの向きを変更し、強いスワールをかけることによって、ほとんど損傷が見られなくなった。磁場によるアークの回転の改善も行ったが、不要であった。カソードに関しては、新材料の選定を行い、タングステンに代わってジルコニウムのカソードを発注した。これにより、安定作動時間が長くなることによって、プルーム診断や材料試験に供することのできる。 2)レーザー吸収分光法のマルチパスセルによる酸素原子密度測定感度の向上 比較的低温度の酸素乖離流の準安定準位に光学的にアクセスするために、マルチパスセルによって吸収感度を向上させることを試みている。まずはイントラキャビティ法を試みるため、半導体レーザーの外部共振器を自作し、共振長が30センチメートルある共振器で共振、波長挿引することに成功した。しかし、レーザー内部の損失が大きいため、感度向上までには至らず、内部損失の少ない面発光レーザーなどの低閾値電流で作動するレーザーの導入が不可欠であると言うことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)