2004 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化指標の測定精度向上を目的とした地球観測衛星の校正技術開発
Project/Area Number |
14350517
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Research Institution | the Japan Aerospace and Exploration Agency |
Principal Investigator |
伊藤 信成 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 地球観測利用推進センター, 研究員 (60344272)
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Keywords | 地球観測 / 光学センサ / 軌道上較正 / 粒子状汚染物質 / 散乱 / 清浄度管理 / 人工衛星 |
Research Abstract |
多くの衛星搭載の光学センサでは、基準光源あるいは太陽光測定機構を搭載しており、軌道上での校正基準として用いられているが、校正基準の出力値が時間と共に低下を示す事象が報告され、問題となっている。そこで、基準光源測定値の低下傾向の原因として有力視されている、衛星光学系への微粒ダストの付着について、光学系に及ぼす影響の定量評価を行った。本年度は本研究計画の最終年度にあたるため、これまでの計測結果をまとめ、数値モデルとの比較を主に行った。 今年度実施した内容および成果は以下の通りである。 1.軌道上での荷重および衝撃付加による粒子状汚染物質の脱離特性評価、 2.土壌成分粒子付着による光学面散乱特性評価、 3.有機物成分付着による光学面散乱特性評価、 4.ガス状汚染物質の吸着 1.〜4.については、昨年度の測定結果に対する解析を行い、1.については、地球観測衛星みどり2号に搭載された光学センサであるグローバルイメージャで検出された出力値異常が、粒子状汚染物質の付着・脱離では説明がつかないことを確認した。2.およぶ3.については、測定値を数値モデルと比較することにより、数値モデルによる散乱光強度推定の妥当性を評価するとともに、実際の衛星管理環境での清浄度管理基準設定の根拠データを与えることが出来た。以上により、衛星保管環境における粒子状汚染物質付着による光学特性への影響評価は基本的に把握できたものと考える。最後に4.については、粒子状汚染物質と並んで光学特性劣化の要因と考えられるガス状汚染物質の吸着現象について、今後の研究の発展のための基礎データ取得として行ったものであり、基本的な計測技術について検討を行った。実際の測定等については、今後の研究課題である。
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Research Products
(5 results)