2003 Fiscal Year Annual Research Report
透水性に影響を及ぼす岩石の構造のマルチスケール則に関する研究
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14350535
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小池 克明 熊本大学, 工学部, 助教授 (80205294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 晃 熊本大学, 工学部, 助手 (40305008)
林 泰弘 熊本大学, 工学部, 助手 (50274692)
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Keywords | 岩石 / 透水性 / 空隙 / 亀裂 / スケール則 / 地球統計学 / 空間分布推定 / バリオグラム |
Research Abstract |
データが取得された座標を考慮する全ての分野で,精度の高い空間分布推定は不可欠である。このときデータ分布よりも更に広い範囲,あるいはデータの空間分解能以上の詳細な範囲を対象にした場合,推定精度が悪いことは明らかである。しかしながら,スケールを超えた空間分布推定が重要となるケースは,地球科学の分野で多い。例えば,ボーリングコアという大きさが限られた範囲からの地質の物性や特徴を,フィールドスケールまで外挿する場合などである。このようなマルチスケールでの空間分布推定法について検討し,焼き鈍し法を用いた地球統計学的シミュレーション法が適していることを見出した。本手法ではデータやセミバリオグラムのスケール則が考慮されている。 その適用対象例として,多孔質岩石の模擬モデルであるセメント気泡材を選んだ。計算の対象領域は1×1cm^2,5×5cm^2,10×10cm^2,50×50cm^2,1×1m^2,5×5m^2と拡大するが,空隙率は一定におく。領域の大きさとその中に含まれる最大空隙,および最大空隙半径とセミバリオグラムとの間には関連性があることがわかり,任意の大きさの領域における空隙分布のモデリング法が確立できた。2次元空隙分布モデリングの結果から,空隙率は一定であるにも拘わらず,領域が大きくなるにつれて空隙の最大連結距離は増大することがわかった。これが透水係数のスケール効果の主な要因であると考えられる。空隙分布と透水係数の実測値について検討したところ,連結空隙の体積の平均値は空隙率の増加とともに急増するが,それは空隙率の噌加に伴う透水係数の増加率と類似していた。さらに,代表的な多孔質岩石であるBerea砂岩も解析の対象とし,種々の大きさの領域に対して2次元空隙分布モデリングを行った。この結果においても領域が大きくなるにつれて空隙の最大連結距離は急増する傾向が得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koike, K., Fujiyoshi, H.: "Spatial Modeling of Pore Distribution in Porous Media Using Geostatistics for Detecting Hydraulic Property"Environmental Rock Engineering, Saito, T. and Murata, S. (eds.), A.A.Balkema Publishers. 259-264 (2003)
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[Publications] Koike, K., Yoshinaga, T., Nishiyama, K.: "Characterization of Weathering Process of Rocks by X-Ray CT and Radiance Spectra Measurements"X-Ray CT for Geomaterials- Soils, Concrete, Rocks-, Otanim J. and Obara, Y., eds., A.A.Balkema Publishers. 353-361 (2004)
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[Publications] 松田節郎, 小池克明, 大見美智人: "ニューラルネットワークを用いた地質データの空間分布推定と分布に影響を及ぼす因子の抽出"資源と素材. 119巻6/7号. 359-369 (2003)
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[Publications] 麻植久史, 小池克明, 高倉伸一, 吉永徹, 大見美智人: "MT法による活断層深部の破砕構造解析"応用地質. 45巻(印刷中). (2004)
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[Publications] 小池克明, 成清耕司, 松田節郎: "地質データのスケール則抽出と空間分布モデリングの応用"情報地質. 14巻2号. 164-165 (2003)
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[Publications] 小池克明, 黒木隆生: "地球統計学によるマルチスケール空間分布推定法と透水性解析への応用"資源・素材学会春季大会講演集(I)資源編. (印刷中). (2004)