2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入による油糧種子のビタミンE合成能力の増強
Project/Area Number |
14360003
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山田 恭司 富山大学, 理学部, 教授 (70200714)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岩 文雄 独立法人農業生産物資源研, 新生物資源創出グループ, 研究チーム長
若杉 達也 富山大学, 理学部, 教授 (10212317)
|
Keywords | α-トコフェロール / ビタミンE / γ-トコフェロールメチル基転移酵素 / γ-TMT遺伝子 / 種子特異的プロモーター / ゴマ / 形質転換 / 代謝工学 |
Research Abstract |
1.ゴマからのビタミンE生合成酵素(γ-TMT)遺伝子のゲノミックDNAクローンの単離とその解析:既に単離済みのcDNAクローンを利用して、栽培ゴマ(系統4294)子葉の全DNAを鋳型としたPCRを行なった。単離できたクローンには、約1.1kbの5'上流領域が含まれ、γ-TMTの全コード領域がカバーされていた。ゴマγ-TMTのコード領域は、シロイヌナズナの場合より2個多い5個のイントロンで分断されていることが明らかになった。ノザン分析によって、ゴマγ-TMT遺伝子の発現レベルは、子葉・葉・花芽・花などの組織で高かったが、根や登熟過程の種子組織では、ごく低くおさえられていることが確認された。一方、ゲノミック・サザン解析の結果から、ゴマではγ-TMT遺伝子がゲノムあたり1-2コピーであると予想された。 2.ゴマ種子組織で特異的に高発現する遺伝子の5'上流領域のクローン化と転写開始点のマッピング:Δ9およびω-6の脂肪酸不飽和化酵素の遺伝子は、油脂蓄積時にゴマ種子組織で高発現するので、それらの遺伝子の5'上流領域を栽培ゴマ由来のゲノミックDMAライブラリーのスクリーニングによって単離した。それぞれの転写開始点をCapSiteマッピング法によって解析した。得られた上流領域のサイズは1.8kb-3.2kbであったので、ゴマ種子での組織特異的な高発現に必須なシス配列とプロモーター領域を含んでいると考えられる。 3.上で単離した5'上流領域をゴマγ-TMTのcDNAクローンと連結しキメラ遺伝子を作製した。今後、このキメラ遺伝子をMATベクターに挿入して、ゴマ植物へ導入し形質転換体を創出する予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Utako Yamanouchi: "A rice spotted leaf gene, Sp17, encodes a heat stress trans-criptron factor protein"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 99(11). 7530-7535 (2002)
-
[Publications] 浅水 哲也: "MATベクターシステムを用いたゴマ植物への遺伝子導入(3)"Ann.Rep.Toyama Pref.Inst.Pharm.Res.. 28. 21-25 (2002)
-
[Publications] 若杉 達也: "葉緑体遺伝子と情報発見「生物学データ大百科事典」"朝倉書店(分担執筆). 146-157 (2002)
-
[Publications] 若杉 達也: "光合成事典"学会出版センター(分担執筆)(印刷中). (2003)