2003 Fiscal Year Annual Research Report
イネの節間伸長パターン構築遺伝子の同定とその育種的利用に関する研究
Project/Area Number |
14360004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北野 英己 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (50144184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦刈 基行 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助教授 (80324383)
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Keywords | イネ / 矮性 / 節間伸長 / 遺伝子単離 / 植物ホルモン |
Research Abstract |
イネの節間伸長の制御は、耐倒伏抵抗性や草型と関わる重要形質であり、育種における最重要課題の一つである.本課題では、特に節間伸長パターン(主として第2節間を特異的に非伸長にするdm型)構築に関わる変異遺伝子群に注目し、これらの遺伝子の単離と遺伝子の機能解析を通じて節間伸長におけるパターン形成の制御機構を明らかにし、育種への応用を試みることを目的に研究を進めている. 今年度は、まずdm型を表現する夷矮性突然変異体(d2)のカサラスとの交雑F2集団を用いてマップベースクローニングを行い、その原因遺伝子が植物ホルモンのブラシノライド(BR)の生合成に関わる新規酵素をコードしていることを明らかにした.また、他のdm型突然変異体についてはF2分離集団を育成し遺伝子単離の準備を進めた. すでに遺伝子が同定されているBRの情報伝達に関わるD61座における作用生の異なる多数の対立遺伝子変異を利用して、 BRの情報伝達と節間伸長パターン形成との関連を調査した結果、本遺伝子座の機能が低下するに従いdm型に加えて得下位節間が強く抑制されることが判明した.また、このd61変異体の弱いアリールを利用して実用形質に対する影響を評価した結果、密植、多肥条件下で高収量が期待できる可能性が示された. つぎに、ジベレリン(GA)関連変異体に注目して解析を進めた結果、極矮化変異体(gid2)がこれまでに知られているgid1変異体とは異なる新規のGA情報伝達に関わる遺伝子変異に起因していることを明らかにした.しかし、これらを含めた既存のGA関連変異体の多くはd1変異体を除いて得意な節間伸長パターンには関与していないことが判明した. 現在、節間に対する特異的な作用機作について組織、細胞学的な観点から解析を進めており、dm型表現と第2節間における節間分裂組織の分化と形態形成の関係について今後明らかにしていく予定である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takeda, T.: "The OsTB1 gene negatively regulates lateral branching in rice."Plant J.. 33. 513-520 (2003)
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[Publications] Sasaki, A.: "Accumulation of Phosphorylated repressor for gibberellin signaling in an F-box mutant."Science. 299. 1896-1898 (2003)
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[Publications] Hong, Z.: "A rice brassinosteroid-deficient mutant, ebisu dwarf (d2), is caused by a loss of Function of a new member of cytochrome P450."Plant Cell. 15. 2900-2910 (2003)
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[Publications] Gomi, K.: "GID2, an F-box subunit of the SCF E3 complex, specifically interacts with phospholylated SLR1 protein and regulates the gibberellin-dependent degradation of SLR1 in rice."Plant J.. 37. 626-634 (2004)
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[Publications] Sunohara, H.: "New dwarf mutant controlled by a dominant gene, Twisted dwarf."Rice Genetics Newsletter. 20(in press). (2003)