2002 Fiscal Year Annual Research Report
ティーおよびチャイナ系栽培バラの香気成分とその生合成遺伝子による遺伝資源解析
Project/Area Number |
14360016
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上田 善弘 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (40143268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巫 水欽 日本学術振興会, 特別研究員
渡辺 修治 静岡大学, 農学部, 教授 (90230979)
蓬田 勝之 株式会社資生堂, 研究開発本部・製品開発センター, 主任研究員
|
Keywords | バラ / 香気成分 / 遺伝資源 / 生合成遺伝子 / 系統解析 / ヘッドスペースGC分析 / メチル基転移酵素 |
Research Abstract |
(1)中国紅蘇省林業科学研究所現代バラ研究センターを訪問し、同センターを基点に雲南省、四川省の野生地、農村において、中国栽培バラの起源種および古い栽培バラの野生状況と栽培保存状況の調査を行った。野生種そのものについては、自生地が保存されていたが、古い起源の栽培種については極わずかしか残存していなかった。上記研究所および訪問した准安バラ園にて古い起源のティーまたはチャイナ系と思われる栽培種の分譲を受け、当大学にて繁殖、栽培中である。 (2)ティーおよびチャイナ系栽培バラのうち四季咲き性品種につき、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)を用いヘッドスペースGC分析法で香気成分を分析した。初年度で供試品種数が少なかったため、系統解析までにはいたっていないが、分析した品種で、系統解析の指標成分と考えらるジメトキシメチルベンゼンおよびトリメトキシベンゼンの有無を確認した。また、特定の種(Rosa chinensis var. semperflorens)で、その起源を推定する際のもう一つの指標成分である、フェニルエチルアルコールの含有を確認した。 (3)中国栽培バラの重要な起源種とされるRosa chinensis var. spontaneaの花弁から、トリメトキシベンゼンの生合成に関するメチル基転移酵素の一つである、フロログルシノールO-メチルトランスフェラーゼ(POMT)を抽出、精製した。この精製されたPOMTをもとに遺伝子をクローニングし、大腸菌で酵素を発現させ、活性を確認した。
|