2004 Fiscal Year Annual Research Report
根内共生糸状菌Heteroconiumによる植物への誘導抵抗性の構築
Project/Area Number |
14360025
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽柴 輝良 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20189476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 茂 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40108428)
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Keywords | DNAマイクロアレイ / フェニルプロパノイド / カマレキシン / H.chaetospira / 病害抵抗性誘導 |
Research Abstract |
Heteroconium chaetospiraの根内定着による地上部における病害抵抗性誘導機構を物質および遺伝子発現の両面から追跡した。 (1)DNAマイクロアレイ解析では、本菌を根内に定着させた白菜では黒斑病菌接種2日目にanthranilate synthase,約14倍、tryptophan synthase,約30倍、PR-2,約16倍の発現を認めた。一方、chorismate mutase, PALの発現は見られなかった。 (2)ノザン解析の結果、PALの発現量に変化はなく、PR-laは黒斑病菌接種5日目に約4倍に達した。 (3)サリチル酸含量は黒斑病菌接種3日目、約3倍であった。一方、フェノール性化合物に変化は見られなかった。 本菌による病害抵抗性の誘導時に上昇するPR-la,サリチル酸はフェニルプロパノイド経路を介さずに別の経路によってサリチル酸が合成されていると考えられた。 (1)トリプトファン合成酵素α鎖遺伝子(TSA)は病原菌接種2日後、約30倍に増加していた。TSAはファイトアレキシンであるcamalexinの前駆物質であるトリプトファンの合成を触媒する。 (2)H.chaetospiraのみではTSAの発現に影響を与えず、A.brassicae接種によってTSAが発現した。さらにTSAの発現上昇にはH.chaetospiraが根内あるいは周辺に存在することが重要で、H.chaetospiraが存在しないと、TSAの発現は見られなかった。 このことより、病害抵抗性誘導にはファイトアレキシンであるcamalexin合成経路が活性化されると考えられた。
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Research Products
(6 results)