2003 Fiscal Year Annual Research Report
宿主防御反応(PTGS)を打破するウイルス蛋白質のクリ胴枯病菌モデル系での解析
Project/Area Number |
14360030
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 信弘 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (70206514)
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Keywords | PTGS / 植物ウイルス / マイコウイルス / 動物ウイルス / ハイポウイルス / パパイン様プロテアーゼ / 遺伝子サイレンシング |
Research Abstract |
ハイポウイルスはクリの木を枯死させる子のう菌(クリ胴枯病菌)に感染し、宿主菌の病原性を低下(ハイポヴィルレンス)させる生物防除因子である。ハイポウイルスゲノムは約13kbpの2本鎖RNAから成り、+鎖には2つの連続したORF A, Bを持つ。ORFAにコードされた多機能性ハイポウイルス蛋白質p29、p40が宿主抵抗性反応打破に関与することが示唆されている。本課題はPTGS発動株を用いて、ハイポウイルスを含む他の植物、動物ウイルス由来のPTGS打破作用を有する蛋白質を同定し、性格付けを行なうことを目的とした。本年度は、1)昨年度までに得られなかったPTGS発動の作出と、2)植物でのp29PTGS抑制能の検定を、試みた。 1)ハイグロマイシン耐性遺伝子(Hyg)を標的とするPTGSクリ胴枯病菌株の作出を試みた。既に恒常発現用GPDプロモーター支配下に連結したHygで形質転換した株を得た。PTGS引き金として働くdsRNAを菌細胞内で合成させるため、昨年度とは異なる完全長逆反復配列Hygでハイグロマイシン抵抗性株を二重形質転換を行った。二重形質転換体がPTGSを示すかどうかをハイグロマイシンに対して感受性になるかどうかで調べた。数百系統の形質転換体の内、十数株が感受性を示した。DNA解析を行った結果、これら感受性株は相同組み換えによってHygが破壊され、感受性を示すことが明らかとなった。同様の試みをブラストサイディンS抵抗性遺伝子、遣伝子で行ったが、現在まで目的のPTGS発動株が得られていない。 2)p29がPTGS抑制能をN.benthamiana16c系統(GFP発現形質転換体)を用いたアグロインフィルトレーション法により調べた。その結果、p29の発現によりGFPに対するPTGS抑制されているのが確認された。但し、その抑制能は既に同定されているHC-Pro, P19より低かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hillman, B.I., Supyani, S., Kondo, H., Suzuki, N: "A reovirus of the fungus Cryphonectria parasitica that is infectious as particles and related to the Coltivirus genus of animal pathogen"Journal of Virology. 78. 892-898 (2004)
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[Publications] Suzuki, N., Maruyama, K., Moriyama, M., Nuss, D.L.: "Hypovirus papain-like protease p29 is an enhancer of viral dsRNA accumulation and vertical transmission"Journal of Virology. 77. 11697-11707 (2003)
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[Publications] Hillman, B.I., Suzuki, N.: "Viruses of the chestnut blight fungus, Cryphonectria parasitica"Advances in Virus Research. (in press). (2004)
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[Publications] 鈴木信弘: "ウイルスプロテアーゼ"化学と生物. 41. 183-192 (2003)