2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 彰 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50231098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 新太 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 教授 (60185808)
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Keywords | 土壌有機窒素 / 腐植酸 / ヒューミン / ^<15>Nトレーサー / 窒素自然同位体比 / 化学肥料 / ^<15>N NMR / XPS |
Research Abstract |
1.^<15>Nトレーサーによる有機化窒素の初期腐植化過程の解析 ^<15>N標識尿素を用いた畑条件による土壌培養実験を行った(2年目)。微生物バイオマスの混入を補正し、尿素由来腐植酸Nおよび同ヒューミンNについて見かけの半減期(0.6年および3.8年)を推定した。一方、各画分の^<15>N CPMAS NMRスペクトルは経時変化を示さず、有機化後2年の間には芳香族複素環構造の生成に代表される構造変化に基づく安定化はほとんど起こらないと結論した。また、腐植酸N、ヒューミンN、フルボ酸Nの官能基組成の異同を明らかにした。 2.N自然同位体比(δ^<15>N)による施肥由来腐植N分解速度の推定 名大農場土壌腐植酸について化学肥料連用(〜11年)に伴うδ^<15>Nの変化を調べた結果、連用年数との間に有意な負の相関(P<0.005)が認められ、δ^<15>Nの変化率と化学肥料および元土壌腐植酸のδ^<15>NからNの年集積量(施肥量の1.47%)、更新速度が推定可能であることが明らかになった。^<15>N CPMAS NMRより、数年〜十数年の畑作期間には、N官能基組成の変化はほとんど起こらないことが推定された。また、1.と同様、腐植酸Nの平均滞留時間が土壌全NあるいはヒューミンNよりも短いことが示された。 3.腐植酸Nの腐植化度の増大に伴う構造変化の解析 各種土壌腐植酸の腐植化度とN官能基組成との関係をXPSおよび^<15>N CPMAS NMRを用いて調べた。両法で求めたペプチド/アミドN、芳香族Nと複素環Nの相対含量の間に差はなく、腐植化度の増大と対応してペプチド/アミドN濃度が選択的に減少し、芳香族複素環C=Nが濃縮されることを明らかにした。腐植化度と生成後年数との関係に基づいて、複素環Nの年変化率は全Nに対し0.03%、一方、ペプチド/アミドNの年変化率は-0.05%と算出され、N官能基組成が有意に変化するのに数十年を要することが示唆された。
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Research Products
(2 results)