2004 Fiscal Year Annual Research Report
Oxytocin受容体ノックアウトマウスによる受容体遺伝子機能の解明
Project/Area Number |
14360046
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西森 克彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10164609)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 正 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90240845)
|
Keywords | オキシトシン / オキシトシン受容体 / 分娩 / fp受容体 / プロスタグランジンF2α / Ep3プロスタグランジン受容体 / RU486 |
Research Abstract |
<Otr-/-マウスの分娩機構の解析> 2つの子宮収縮因子、FpとOTRの両欠損マウス(Fp-/-/Otr-/-)は、Fp-/-と同様に黄体退縮は起きず、分娩も誘起されなかった。しかしOTR発現を抑制しているPR(Prog受容体)のアンタゴニストRU486投与により分娩は開始し、2つの主要な子宮収縮因子OTRとFpが無くとも、PRの効果減少により子宮収縮が誘導されるという驚くべき結果を得た。このためFp-/-,Otr-/-,Fp-/-/Otr-/-両欠損マウスを作製し、OTR,FP以外の分娩時の子宮収縮に寄与する新たな因子の解析を行ったところ、分娩に関係すると思われるPGE2受容体のサブタイプEp3の発現上昇、Ep2,Ep4の発現低下が確認されEp3と分娩制御保証機構との関連が浮かび上がった。 <Otr-/-マウスの肥満とエネルギー産生機構の解析> OT/OTRのエネルギー調節機構における役割を解明するためOtr-/-マウスとOt-/-マウスを解析した。各遺伝子型マウスの出後の体重変化測定と脂肪組織像の観察、寒冷曝露時の体温変化、Real-timePCR法とin situ hybridization法を用いた遺伝子発現解析を検討した。otr-/-マウス雄は野生型に比して12週齢程度から増大する顕著な肥満を呈した。一方OT遺伝子欠損(ot-/-)マウスでは有意ではあるが、微弱な体重の増加が見られた。otr-/-雄マウスの白色脂肪組織(WAT)は脂肪の過剰蓄積で細胞が肥大し、重量が増加した。褐色脂肪組織(BAT)でも脂肪滴融合が観察された。寒冷曝露時の体温変化ではotr-/-マウスで曝露後2時間以内に顕著な体温低下が観察された。しかしBATでの熱産生・脂肪分解を直接担う分子UCP1とHSLの発現量は変化しなかった。otr-/-マウスのBATでは熱産生の亢進に寄与するβ3-アドレナリン受容体発現が低下し、熱産生を抑制するα2アドレナリン受容体発現は上昇した。両アドレナリン受容体の発現バランスの変化により、寒冷曝露時の体温低下が引き起こされ本マウスの肥満要因となる可能性が明かとなった。
|
Research Products
(5 results)