2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内カルシウム結合蛋白質ALG-2のプログラム細胞死制御機構
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14360051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牧 正敏 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40183610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 清隆 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00202276)
柴田 秀樹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30314470)
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Keywords | Alix / ALG-2 / 多胞性エンドソーム / 選別輸送 / エンドサイトーシス / カルシウム / メンブレントラフィック / 相互作用 |
Research Abstract |
本研究ではALG-2の生理機能を追及するため、その相互作用因子の探索を中心に行った。昨年度までの研究により、ALG-2の相互作用因子であるAlixのプロリンに富む領域を除いた領域に結合する因子を酵母Two-Hybrid法により探索したところ、CHMP4が候補として得られ、共免疫沈降、細胞内分布解析を行い、Alixがエンドサイトーシスによって取り込まれた蛋白質の選別輸送に関与していることを示唆した。本年度は、さらに、CHMP4の相互作用因子であるCHMP6がN末端でミリストイル化されること、EAP20と直接相互作用することを明らかにした。CHMP4あるいはCHMP6のGFP融合タンパク質をHeLa細胞内で過剰に発現させると、ともに、核周囲で斑点状の分布を示し、取り込んだEGFの消失を阻害し、優勢機能阻害効果によりリソソームへの輸送を抑制すると思われる。ALG-2を中心とする相互作用因子の相関図からは、メンブレントラフィックへの関与が浮かび上がって来た。ALG-2の相互作用因子の一つであるAlixは、MVB(multivesicular body、多胞性エンドソーム:エンドソーム内に小胞が多数存在する)形成によるタンパク質の選別輸送に関わっていることが示唆された。さらに、Alixの相互作用因子として、RabGAP様の構造をもつ因子を同定した。この因子は、細胞膜直下に局在し、指状仮足や葉状仮足にAlixとともに分分的な共局在が観察された。一方、細胞性粘菌Dictyosteliumは、単細胞-多細胞体構築の下等真核モデル生物であるが、Alix遺伝子破壊細胞では、Ca^<2+>濃度制限下で細胞集合はできるが子実体を形成できないことが分かった。子実体は柄と胞子の細胞群より構成され、柄は発生過程でプログラム細胞死を起こすことが知られている。Alix遺伝子破壊細胞で観察された発生異常は、より初期段階の細胞集合過程での異常と思われ、Alixが細胞接着、細胞運動に関与している可能性も考えられる。
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Research Products
(4 results)