2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360057
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古川 謙介 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90221556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 正利 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90274521)
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Keywords | 硫酸還元菌 / 脱ハロゲン酵素 / テトラクロロエチレン / ハロゲン呼吸 |
Research Abstract |
本年度は先に分離した偏性嫌気性細菌Desulfitobacterium sp. Y51株について以下の項目を検討し、新たな知見を得た。 1.Y51株の特性:本菌は無機培地と酵母エキス(0.2%)に50mMピルビン酸ナトリウムを炭素源、電子供与体、5mMフマール酸ナトリウムを電子受容体として、この種の硫酸還元菌としては極めて良好に生育し、OD_<600>で0.6まで増殖した。また、PCE(テトラクロロエチレン)及びTCE(トリクロロエチレン)を最終電子受容体としてエネルギーを獲得する脱ハロゲン呼吸を行うことを明らかにした。 2.PCEデハロゲナーゼ酵素の精製と性質:Y51株を大量培養し、PCEデハロゲナーゼを精製した。本酵素は酸素に高い感受性を示し、精製は困難であったが、最終的に単一バンドまで精製した。本酵素の分子量は58kDaであった。次いでN-末端と内部アミノ酸配列を決定した。本酵素はPCEをTCEを経てcis-ジクロロエチレンへと脱クロル化するが、更に諸種のクロロエタン類に対しても脱クロル化した。 3.PCEデハロゲナーゼ遺伝子のクローン化:上記アミノ酸配列を基にオリゴプライマーを合成し、PCRを行い、PCEデハロゲナーゼ遺伝子(pceA)の一部を増幅し、ついで、これをDNAプローブとして最終的にpceAを含む2.8kbDNAを取得した。PceAの塩基配列から本酵素にはN末端にシグナル配列があり、タンパク質の折りたたみに関与するTat配列とFe_4S_4結合部位が存在した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Suyama et al.: "Molecular characterization of the PcaA reductive dehalogenase of Desulfitobacterium sp. strain Y51"J. Bacteriol.. 184. 3419-3425 (2002)
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[Publications] K.Furukawa et al.: "Engineering microbes capable of efficient degradation of chlorinated organic pollutants"J. Chem. Industry and Engineering. 63. 26-27 (2002)