2002 Fiscal Year Annual Research Report
共生細菌Symbiobacteriumの絶対環境依存性生育にかかわる因子の同定
Project/Area Number |
14360059
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
別府 輝彦 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80011873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 邦昭 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80339291)
上田 賢志 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (00277401)
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Keywords | Symbiobacterium thermophilum / 共生 / 共生因子 / Bacillus / 環境依存性 |
Research Abstract |
Symbiobacterium thermophilum (ST)はBacillus S株との共生下で正常に増殖する好熱性共生細菌である。これまでに、酵母エキスに上記混合培養におけるSTの生育上限(5x10^8cells/ml)の1/100程度の限定的な単独増殖を支持する活性があり、活性炭に吸着しないA成分(K^+で置き換え可能)と吸着するB成分(caseinのtrypsin消化物で置き換え可能)の少なくとも2種類の低分子が含まれることを明らかにした。今回A、B成分について更に検討したところ、A成分はHCO_3^-、NH_4^+、NCO^-でも置き換え可能であり、B成分はinsulinのtrypsin消化物をHPLC分画することで得られる特定の画分でも置き換え可能であることがわかった。STは上記以外にも、Asn要求性を持つこと、好気培養条件でのみZn^<++>又はCo^<++>を要求することを明らかにした。更に、100倍量の新鮮培地に対する透析培養によりST単独で5x10^8cells/mlに達する高密度培が可能であることから、STは自己代謝産物による生育阻害を強く受ける性質をもつことが示唆された。また、0.1-10%のCO_2ガスの通気によって顕著なSTの増殖促進が起こることも見出した。 生態学的検証においては、ST類縁菌の水圏における分布に焦点を当てて探索を行った。様々な海洋性試料について、調査した結果、採取試料の約55%からST類縁菌が検出された。また昨年度に引き続き、殺菌処理したカキ殼を海洋に放置した結果、同様に短期間で菌の付着が起きることを確認した。さらに淡水性試料においても、採取試料の約55%からST類縁菌が検出された。16SrDNA増幅断片を用いたDGGE法、RFLP法及び塩基配列決定法による解析は、既知のST類縁菌とは異なる種の存在を示唆する結果を与えた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ueda K, Saka H, Ishikawa Y, Kato T, Takeshita Y, Shiratori H, Ohno M, Hosono K, Wada M, Ishikawa Y, Beppu T.: "Development of a membrane dialysis bioreactor and its application to a large-scale culture of a symbiotic bacterium, Symbiobacterium thermophilum"Appl Microbiol Biotechnol. 60. 300-305 (2002)
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[Publications] Androustellis-Theotokis A, Goldberg NR, Ueda K, Beppu T, Bechman ML, Das S, Javitch JA, Rudnick G.: "Characterization of a functional bacterial homologue of sodium-dependent neurotransmitter transporters"J Biol Chem.. 133-135. 671-677 (2003)