2003 Fiscal Year Annual Research Report
二成分御制系による炭素と窒素制御の共役と新規カタボライト制御機構の解明
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14360060
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
伊藤 義文 独立行政法人食品総合研究所, 応用微生物部, 研究室長 (70135127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 啓太郎 独立行政法人食品総合研究所, 応用微生物部, 研究員 (20353980)
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Keywords | 緑膿菌 / カタボライト制御 / 窒素制御 / 二成分制御遺伝子 / ヒスチジン代謝 / シグマ54 / 転写因子 / リン酸化 |
Research Abstract |
Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)株は、アミノ酸及びポリアミンを唯一の炭素・窒素源として利用する。これまでに、cbrA-cbrB二成分制御遺伝子がアルギニン、プロリン、ヒスチジン、アグマチン、及びポリアミン類の炭素源としての利用に必須であることを明らかにし、当該化合物の代謝に関るほぼ全ての酵素遺伝子を同定した。本年度は、ヒスチジンの窒素源としての利用におけるntrB-ntrC二成分制御遺伝子の役割とヒスチジンオペロン(hutUHTIG)の炭素と窒素応答制御における両二成分制御系の機能を解析した。 cbrB::Km変異株はヒスチジンを炭素源及び炭素・窒素源として、他方ntrC::Gm変異株は窒素源として利用できなかった。hutオペロンの発現は、他の炭素源が存在しない時はCbrA-CbrB二成分制御系によって、他の炭素源が存在しヒスチジンが窒素源として利用される時はNtrB-NtrC二成分制御系によって活性化された。これらの制御系で活性化される共通のσ^<54>依存性RNAポリメラーゼのプロモーターとNtrC蛋白質の結合配列(転写開始点の-190と-220領域)を特定した。CbrB蛋白質の結合配列は決定していないが、NtrC蛋白質の結合配列を欠くプロモーターは転写活性を完全に失うことから、この領域はCbrB蛋白質による転写活性化にも重要であると考えられる。 cbrAB::Km変異株のヒスチジンの炭素及び炭素・窒素源としての資化性を回復させるサプレッサー変異は、ntrCの251番目にあるCのTへの変換であった。当該サプレッサー変異株のhutオペロンでは、野生株と同じ開始点から構成的に高発現していた。この結果は、CbrA-CbrBがhutオペロンのカタボライト制御蛋白質であることを支持している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yuji Nakada, Yoshifumi Itoh: "Identification of the putrescine biosynthetic genes in Pseudomonas aeruginosa and characterization of agmatine deiminase and N-carbamoylputrescine amidohydrolase of the arginine decarboxylase pathway"Microbiology. 149. 707-714 (2003)
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[Publications] Yoshifumi Itoh, Yuji Nakada: "Pseudomonas volume 3(分担執筆)"Kluwer/Plenum Publishers. 31 (2004)