2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360064
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西田 律夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (30135545)
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Keywords | ゴキブリ / 摂食刺激物質 / フェロモン / 生理活性物質 / 進化 / 化学生態学 / 味覚受容 / 電気生理学 |
Research Abstract |
ゴキブリ類は,個体・種族維持のため,きわめて鋭敏な味覚感覚を持っている.とくにチャバネゴキブリ科(Blattellidae)の求愛接餌と採餌行動における味覚感覚生理について電気生理学的手法を駆使し相互比較しながら体系的に解析した.一方,雌雄の認知の初期段階では雄は雌の性フェロモンを感受する.雄の触角における接触化学フェロモン受容機構を分子レベルで探るため多面的に追究した. 1)口器味覚器官の機能と電気生理学的解析 チャバネゴキブリの雄成虫が背面フェロモン腺から分泌する摂食刺激物質(オリゴ糖類,リン脂質,アミノ酸,コレステロール)を雌成虫がどのように認知しているのかを知る目的で,構造の複雑な口器味覚感覚毛(maxillary palp, labial palpおよびparaglossa)を各試料溶液で刺激することにより,行動学的応答性を調べた.その結果,paraglossaに最も感受性の高い感覚毛が存在することが判明した.この味覚感覚子対する電気刺激応答を微小神経電位測定システム(チップレコーディング)により測定した.その結果,オリゴ糖類とリン脂質それぞれではインパルスは生じないが,両者を混合することにより協力作用によると見られる特徴的なスパイクを観測することに成功した. 2)チャバネゴキブリにおける雌のクチクラに含まれる性フェロモンの受容機構解析 チャバネゴキブリ雌成虫の体表ワックスに含まれる雌の性フェロモンは,雄の触角によって的確に受容される.これは1)における雌側の味覚受容とは異なり,きわめて疎水性の物質受容である.感覚子は微小であり,効率的なチップレコーディング法を開発するためにSyntech製の微小電極プローブを導入し,フェロモン刺激による応答性を調べた.一方で触角におけるフェロモン受容に関与する特異的たんぱく質の解明に向けて,二次元電気泳動などによる候補たんぱく質の分離を試みた.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] A hemiterpene glucoside as a probing deterrent of the bean aphid, Megoura crassicauda, from a non-host vetch, Vicia hirsuta2006
Author(s)
Ohta, N., Mori, M., Kuwahara, Y., Nishida, R.
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Journal Title
Phytochemistry 67
Pages: 584-588
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