2003 Fiscal Year Annual Research Report
小腸コレステロール排出/胆汁酸吸収トランスポーターの機能解析と食品成分による調節
Project/Area Number |
14360069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 隆一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50187259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 誠 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30114507)
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Keywords | ABCG5 / ABCG8 / コレステロール / 胆汁酸 / FXR |
Research Abstract |
動脈硬化症等の生活習慣病予防の一策として、小腸における脂質吸収を低下させ、脂質代謝を改善する試みが考えられる。小腸における脂質の吸収機構の実体は明らかでないが、近年、吸収とは逆向きの排出活性を担うトランスポーターが小腸上皮に同定され、取り込み・排出の差し引きとして吸収を捉える必要が生じてきた。また、胆汁酸の再吸収をになう胆汁酸トランスポーターによる吸収を低下させることにより、胆汁酸が効率よく糞便中に排泄されることにより、脂質代謝の改善されることも期待される。本研究では、このような小腸における脂質の排出/吸収の分子基盤を明らかにするために、コレステロール排出トランスポーターと胆汁酸トランスポーターに着目し、培養細胞を用いた機能解析を試みた。 (1)ヒト小腸上皮様細胞Caco-2を用いたコレステロール排出活性評価実験 Caco-2細胞での粘膜側へのコレステロール排出にはABCトランスポーターファミリーのAGCG5/G8の関与が想定され、これらの発現をLXRアゴニストを用いて上昇させ、排出活性を解析した。その結果、ABCG5/G8の発現上昇に伴い、粘膜側へのコレステロール排出は増加した。また、培地中に胆汁酸を添加すると排出活性が亢進することから、小腸管腔側でのコレステロールのアクセプターは胆汁酸が主たる成分であることが示唆された。さらに、大豆蛋白質分解ペプチド画分には、胆汁酸同様、コレステロール排出を上昇させる効果が認められ、大豆蛋白質の脂質代謝改善効果の部を説明することができた。 (2)胆汁酸トランスポーター活性評価系の構築 抱合型胆汁酸は培養細胞に取り込まれることはなく、細胞に胆汁酸トランスポーターを発現させるとこれが可能になる。細胞に胆汁酸をリガンドとする核内受容体FXRを発現させ、取り込まれた胆汁酸により活性化されたFXRをルシフェラーゼ活性として検出する実験系を構築した。この系に、各種食品成分を添加し、胆汁酸取り込みを阻害する活性を追跡する事が可能となった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Misawa, K.et al.: "Sterol regulatory element-binding protein-2 interacts with hepatocyte nuclear factor-4 to enhance sterol isomerase gene expression in hepatocytes"J.Biological Chemistry. 278. 36176-36182 (2003)
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[Publications] Hirano, Y.et al.: "Sterol regulatory element-binding proteins are negatively regulated through SUMO-1 modification independent of the ubiquitin/26S proteasome pathway"J.Biological Chemistry. 278. 16809-16819 (2003)