2004 Fiscal Year Annual Research Report
不成績造林地に侵入した有用広葉樹の育成と林分CO2固定能の向上に関する研究
Project/Area Number |
14360078
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小池 孝良 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (10270919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹 賀一郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70125318)
日浦 勉 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (70250496)
高木 健太郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助手 (20322844)
牧野 周 東北大学, 農学研究科, 助教授 (70181617)
丸山 温 森林総合研究所, 北海道支所, グループ長 (50343786)
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Keywords | 個葉光合成 / 階層構造 / ギャップ / 散孔材 / 環孔材 / CO2分布 / クロロフィル / CO2拡散 |
Research Abstract |
冷温帯葉落広葉樹の光合成生産機能を,森林を構成する高木の機能を樹冠レベルで評価するとともに,ギャップ更新稚樹や低木層構成樹種の光合成特性を基礎に考察した。樹冠部の光合成特性は林冠層をやや越えた高さ24mの樹冠観測タワーを用いて測定した。上層木の開葉と共に林床へ到達する光量は減少し,落葉とともに増加した。また,CO_2濃度の垂直変化は,風のない日中に樹冠部位では約320ppmまで低下し,夕方には林床付近で約560ppmに達した。高木層の開葉は雪解けの約1週間後から始まり樹冠基部から先端に向かって進行した。シラカンバやケヤマハンノキなどの散孔材樹種の開葉が早く,ハリギリやヤチダモなどの環孔材では約2週間遅かった。初夏には全ての樹種の樹冠部位での光合成速度は高かったが,真夏には樹冠のやや内部に位置する葉の光合成速度が最高であった。落葉が始まる初秋には先駆種であるシラカンバとケヤマハンノキの光合成速度は高かったが,全体としては樹冠部位での光合成速度に樹種間の差はなかった。樹冠下部の葉では集光機能を代表するクロロフィルb量が多く,また,窒素のクロロフィルへの分配量も多かった。林床では上層木の葉が展開して林冠が閉鎖する前に葉を展開し終える樹種や,上層木が落葉しても葉を保持し降霜まで緑葉を維持する樹種が存在した。林床に生育する稚樹では,光飽和での光合成速度(最大光合成速度)は大きな年変動を示した。この原因として春先の乾燥により厚く小さな葉が形成されることが考えられ,葉内部でのCO_2拡散抵抗が最大光合成速度を律速することが示唆された。窒素は最大光合成速度と高い正の相関を持つことから,非破壊で同一葉の機能を推定できる窒素計測器を導入することによって樹冠全体の光合成生産を非破壊で推定できる。
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Research Products
(7 results)
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[Book] 樹木生理生態学2004
Author(s)
小池孝良 編著
Total Pages
264
Publisher
朝倉書店
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より