2002 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドロフォンを用いた流砂量の非採取現地計測システムに関する研究
Project/Area Number |
14360080
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮本 邦明 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (00263492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 隆郭 立命館大学, 理工学部, 講師 (80334035)
西田 顕郎 筑波大学, 農林工学系, 講師 (40312813)
眞板 秀二 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (50015864)
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Keywords | ハイドロフォン / 流砂量観測 |
Research Abstract |
ハイドロフォンを設置する観測地点を,流域規模を考慮し水理量などの観測装置が比較的整備されている筑波大学井川演習林および京都大学防災研究所穂高砂防観測所内に選定し,観測装置の設計を行った.また,現地観測箇所近傍の河道と河床材料の粒度分布を計測し,それらの結果を用いて流量を変化させて流砂運動に関する数値シミュレーションを行った。ハイドロフォンに砂粒子が衝突した際に生じる音響信号の振幅が砂粒子の持つ運動量の砂粒子中心とハイドロフオン中心とを結ぶ方向成分に比例することを用いて,信号を粒径別に振幅分布として整理し,粒径別砂粒子のハイドロフォン通過個数と振幅分布とを関連づける変換マトリックスを求めた。その結果,変換マトリックスは対角要素を中心に有意な値を持ち,かつ,その行列式が十分大きな値をとることが確認された。このことから,ハイドロフォンから得られる音響信号の振幅分布(単位時間あたり)と粒径別流砂量が1対1対応の関係にあることが確認された。こうして,ハイドロフォンから得られる音響信号(振幅分布)は,流量にも依存するものの粒径にも強く依存しており、本システムで検討している計測手法が現地観測に十分適用可能であることが示された。 現時点では,具体的なハイドロフォンの感度などについては設定されておらず,基礎的な水路実験を行い数値シミュレーション結果と比較してアンプのゲインやハイドロフォンの調整方法について検討を行う必要がある。また、同時にその精度や適用限界について考察するとともに,ハイドロフォンのゲインなどの設定・調整方法について検討する。また,実際選定された現地にハイドロフォンを設置し,現地観測結果とシミュレーション結果の比較を行う。それらの結果と数値シミュレーション結果を比較して本システムの精度や適用限界などについて検討を進める。
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