2002 Fiscal Year Annual Research Report
GIS手法による全国の水源涵養機能・土砂災害評価モデル構築
Project/Area Number |
14360081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 雅一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10144346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
執印 康裕 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (60221305)
芝野 博文 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00143412)
太田 猛彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50134797)
堀田 紀文 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00323478)
蔵治 光一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (90282566)
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Keywords | 森林機能評価 / 水源涵養機能 / 土砂災害防止機能 / 国土数値情報 / 水資源賦存量 / 流況曲線 |
Research Abstract |
本研究は、(1)地形、気候、土地利用・植生、地質などに関する既存データセットを、森林機能評価の見地からレビューする研究、(2)過去になされた日本の多くの河川での河川流量調査データを集計整理し、データセットとしてまとめる研究、(3)河川流量データ(特にその流況指標)と降水量、地形、地質などの関係を解析する研究、(4)既往河川流量と詳細に水収支観測がなされている森林水文試験地のデータを対比し、植生が水流出、土砂流出に与える影響を評価する研究、(4)国土数値情報の基準区画である1km格子単位に日本全国について、水源涵養機能、土砂災害防止機能のマップを作成する研究、からなる。 本年度は(1)(4)について、国土数値情報の基準区画である1km格子単位に、森林とその他の土地利用に区分して蒸発散量を推定するモデルを構築した。また、降水量から推定蒸発散量を差し引いた水資源賦存量データを作成した。土地利用・植生データによって1km格子毎に森林・農地・都市に3区分し、降水量、水資源賦存量と標高の関係を求めた。一般に降水量は標高によって増加する傾向を持つが、同じ標高では森林地における降水量が農地、都市より大きいことが示された。都市、農地には、山間の盆地など標高は高くても斜面の効果による降雨増加が見られないところが含まれるからで、降雨量から見て水資源の多い場所が、森林となっていることが定量的に示された。 (2)、(3)については、東京大学愛知演習林、土木研究所裏筑波試験地などの水文試験流域の長期流出記録について、流況曲線を求め、各月の最小流量に関係する降雨指標について解析された。
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