2004 Fiscal Year Annual Research Report
ジベレリン生合成系酵素遺伝子を利用した樹木の成長制御に関する研究
Project/Area Number |
14360092
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
篠原 健司 独立行政法人森林総合研究所, 生物工学研究領域, 領域長 (50154224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊ヶ崎 知弘 独立行政法人森林総合研究所, 生物工学研究領域, 研究員 (10353567)
毛利 武 独立行政法人森林総合研究所, 生物工学研究領域, 主任研究官 (40353883)
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Keywords | ジベレリン / 成長制御 / ポプラ / 遺伝子組換え |
Research Abstract |
セイヨウハコヤナギ(Populus nigra)から、活性型のジベレリン(GA)を不活性化するGA2β水酸化酵素の候補遺伝子(PnGA2ox4〜PnGA2ox7)を新たに4種類単離し、全塩基配列を決定した。セイヨウハコヤナギ挿し木をGA処理(GA_3:0,15,45,150μM)し、GA20酸化酵素遺伝子、GA3β水酸化酵素遺伝子、7種類のGA2β水酸化酵素遺伝子(PnGA2ox1〜PnGA2ox7)の発現量の変化を、GA処理の前後で比較した。GA20酸化酵素遺伝子、GA3β水酸化酵素遺伝子の発現はGA処理によりフィードバック的に阻害された。一方、GA2β水酸化酵素遺伝子のうち、葉と茎で発現するPnGa2ox1、PnGA2ox3、PnGa2ox6、葉で特異的に発現するPnGa2ox2、茎で特異的に発現するPnGa2ox4、PnGA2ox7の発現はいずれもGA処理により上昇したが、葉でのみ発現するPnGA2ox5の発現量は変化しなかった。こうした結果は、GA処理により、葉や茎で活性型GAであるGA_3含量が極端に増加したことで説明できる。なお、GA生合成の早い段階で、前述のものと異なるファミリーに属するGA2β水酸化酵素遺伝子を4種類単離し、全塩基配列を決定した。ゲノムDNAの解析では、このファミリーのGA2β水酸化酵素遺伝子が他に2種類存在することが明らかになった。さらに、GA20酸化酵素やGAのシグナル伝達に関与する3量体Gタンパク質を過剰発現させた組換えポプラを作出し、ゲノムDNA上に組換え遺伝子の存在を確認した。現在、これら組換えポプラの成長特性を閉鎖系温室で解析している。本研究により、GA20酸化酵素遺伝子やGA3β水酸化酵素遺伝子の過剰発現、ないしはGA2β水酸化酵素遺伝子の発現の抑制により、樹木の成長を向上できる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)