2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360100
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
高田 克彦 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 助教授 (50264099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
古賀 信也 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (20215213)
飯島 泰男 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (10279507)
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Keywords | スギ / 精英樹 / 木材材質 / 成長 / 遺伝子型 |
Research Abstract |
種苗のゲノム情報に立脚したスギ材の木材材質と成長の変異を解析・把握する目的で以下の実験・研究を行った。 (1)さし木由来の林分における木材性質及び成長の調査・解析 宮崎大学農学部附属・自然共生フィールド科学教育研究センター田野フィールド(演習林)に設置されている六演習林精英樹検定林において九州地域で選抜された精英樹25クローンの木材材質及び成長の調査を行った。得られた調査データをもとに木材材質及び成長を解析した結果、精英樹25クローンの木材材質に関しては高い順位相関が示された。すなわち、異なる地位、立地環境においても相対的な順位には大きな変動がなく、検定林での調査データをもとにして材質優良精英樹を選抜できる可能性が高いことが示唆された。これらの解析結果については、現在、投稿準備中である。 (2)実生由来の林分における木材性質および成長の解析 秋田県下のスギ実生林分において、木材材質及び成長の解析を行った。対象とした林分は樹齢60年〜110年の人工林、樹齢約250年の天然林である。得られた調査データを用いて木材材質及び成長を解析した結果、スギ人工林では樹齢20年前後で木材材質が安定しはじめ、樹齢30年以降に形成された材は実用上問題のない材質を生産していることが明らかとなった。また、人工林由来のスギと天然林由来のスギの肥大成長を比較したところ、人工林由来のスギは植栽初期20年前後までの肥大成長はきわめて旺盛であるが、その後は隣接個体との競争効果等によって肥大成長が抑制され、特に植栽後60年以降の成長は天然林由来のスギのそれとほぼ同程度であることが明らかになった。現在、これらの一連の知見の一部は専門誌に投稿中である。
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